なでしこジャパン、はだしのゲン。誰にでも社会は変えられる――日本に上陸した署名サイトの狙いとは?これからの働き方、新時代のリーダー(後編)(4/6 ページ)

» 2013年09月25日 08時00分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

ユーザーが50万人を越えたらマネタイズを考える

吉岡: 今のお話って、米国のChange.orgのことですよね。日本でも同じような方法でマネタイズをしていく予定でしょうか。

Emmy: はい、まだ日本版Change.orgで広告はやっていません。日本では今は、ユーザーを増やすことを最重要視していますから。1つの国でユーザーが50万人を越えたらマネタイズを考える、というのを目安にしています。

 おそらく、(すでに広告を販売している欧米、オーストラリアなどに比べると)アジアは寄付文化がしっかり根付いていないため、日本でのマネタイズはなかなか難しいだろうと思っています。

 ただ、最近はマイクロペイメントの仕組みが整ってきたので、状況は変わっていくかなとも思います。PayPalとかクレジットカードとかで、少額の寄付が簡単にできるようになりましたから。あとは、ユーザーの精神的な負担を削減するようなサイトのユーザーインタフェースも大事ですよね。

Change.orgが目指すもの

吉岡: Emmyさんが……というか、Change.org日本版が目指していること、実現したい目標はありますか。

Emmy: Change.orgを使えば社会は変えられるんだよ、ということを伝えたい。あるいはChange.orgでなくてもいいんですけど、普通の人が立ち上がって、世界を変えていけるということを経験してほしい。そういう文化が日本に根付くことが目標ですね。

吉岡: なるほど。自分の行動で何かが変わるという経験は、Emmyさん自身がオバマの大統領選挙ボランティアで経験して、実感したことでもありますよね。

 ただ、選挙ボランティアのゴールは「オバマを当選させること」だし、Change.orgも「問題提起した何かに賛同者を募る」と、非常に構図がシンプルじゃないですか。現実に世界を変えるとなると、もっと問題が複雑だったり、利害調整が難しかったりすると思うのですが、複雑な問題を解決し、社会を変えていくためにはどうしたらいいと思われますか。

Emmy: 世界を変える第一歩として、Change.orgでは「署名」という、一番ハードルの低い方法を採りました。でも、社会を変える方法って署名だけじゃないですよね。コンテンツをシェアする、デモに参加する、あるいは留学する……なんていう手も。いろいろ形はあるはずです。

 署名はあくまで第一歩。ネットを使うと、マーケットエントリーが削減できて、参加できる人が増えていくんです。Change.orgがやっているのは、その部分です。

 Change.orgのキャンペーンを見ていると「参加しないほうが良かった」と言う人はいません。キャンペーンに参加する、あるいは自分で立ち上げることで、世界を見るレンズが広がるから、ぜひやってみてほしいです。小さなチャレンジから共感を広げていく、そこを経験することが大事なんじゃないでしょうか。

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