なでしこジャパン、はだしのゲン。誰にでも社会は変えられる――日本に上陸した署名サイトの狙いとは?これからの働き方、新時代のリーダー(後編)(3/6 ページ)

» 2013年09月25日 08時00分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

企業はお金をかせぐ「だけ」を追求すべきではない――Bコーポレーションという選択

吉岡: 次に、企業としてのChange.orgについて聞かせてください。Change.orgは、「Bコーポレーション」という、ちょっと変わった会社形態なんですよね。Bコーポレーションとは、どういうものなのですか?

「Bコーポレーション」のサイト。2012年に発行されたレポートの中でChange.orgは、環境へのインパクト、ワーカー(スタッフ・労働関係)へのインパクトのトップ10%に評価された

Emmy: ここ10年くらい、米国では企業が金もうけを重視しすぎ、経済的利益「だけ」を追求する企業が極端に増えました。この反省から、「ルールの中で利益だけを追求するのではない、新しい企業の形をつくっていこう」という考えから始まったのがBコーポレーションです。Bコーポレーションは、社会問題解決とビジネスとしての運用を融合させた形として、米国でもとても注目を浴びている組織形態です。

 Bコーポレーションになるには、米国の「B LABS」というNPOから、社会的企業としての認定を受ける必要があります。環境とか労働関係とか、B LABSが定めた複数のポイントがあるのですが、そこで高い水準を満たしていないとBコーポレーションの認定を受けられません。Change.orgはその基準をすべて満たしていて、さらにB LABSが認定する社会企業の中でも、「社会貢献」のポイントを高く評価されています。

吉岡: Change.orgのビジネスモデルは基本的に、広告収入ですか?

Emmy: そうですね、広告収入ですが、単純にバナー広告を貼って……というのとはちょっと違います。Googleにはスポンサード・リンクがありますし、TwitterやFacebookにもスポンサードコンテンツを流せますよね。それと同じように、Change.orgでは広告主が「スポンサード・キャンペーン」を出せます。

 広告主は例えば、アムネスティ・インターナショナル、世界自然保護基金(WWF)、Save the Children、国境なき医師団など、NPOや社会問題に取り組む団体です。彼らが自分たちの活動をより多くの人に知らせるため、Change.orgを有料で利用することができるんです。

 スポンサード・キャンペーンは、一般のユーザーが立ち上げた他のキャンペーンとは区別されていて、ユーザーが署名する場合、「その団体から今後、活動報告や他のアクションについて連絡を取れるようにしますか?」といった質問が出るんです。こうして、署名を通してユーザーは任意でメーリングリストに加入することができます。こういう形で、社会問題に取り組む団体と、ユーザーを結びつける仕事をしています。

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