JR北海道は今、何をすべきか――西武鉄道にヒントあり杉山淳一の時事日想(4/5 ページ)

» 2013年11月22日 08時00分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

 このほか、子ども向けに電車をかたどった弁当箱を販売したり、車両基地の公開イベントを年間に何度も開催したりと、沿線のファミリーや鉄道ファンへの取り組みも積極的だ。この一連の「スマイルプロジェクト」が始まった時期は、私がWebメディアの鉄道ニュース担当として毎日のようにニュース記事を書いていたころと一致する。当時、西武鉄道から届くプレスリリースが最も多く、毎週1本か2本、それ以上の時もあった。予算や他社の情報とのバランスもあり、すべて掲載しきれなくて申し訳ないと思った。

 私の西武鉄道への好感度にはこんな事情もあるわけだが、客観的に見ても西武鉄道への好感度は良くなっていると思う。もともと鉄道自体に失点はなかったから、イメージアップへの取り組みはそのままプラスになっているとも言える。ただし、数字で見るとちょっと厳しい。企業の人気度のバロメーターとして、就職活動する大学生の人気調査がある。ランキング上位にJR東日本、JR東海、小田急電鉄、東急電鉄などの社名が並ぶが、西武鉄道はない。これはやはり上場されていない点が響いている。

 沿線ブランドの目安として、住宅情報誌のランキングを見ると(参照リンク)、2012年の総合ランキング「住んでみてよかった沿線」の12位に西武池袋線、14位に西武新宿線が入っていた。「住みたい」のほうはなかったが、住んだ人からの満足度の高さはうかがえる。鉄道に対する好感度もその一助になっているかもしれない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.