藤井薫(ふじい・かおる)
大学を卒業後、広告代理店や出版社を経てライターに。
『POPEYE』『an・an』(マガジンハウス)や『GLAMOROUS(グラマラス)』(講談社)などで、ファッション、ビューティ、ビジネスなど幅広い記事をカバー。日本と海外を頻繁に行き来して、海外トレンドを中心に情報発信している。
そんな思いをベースに、世界の企業動向や経営哲学をはじめ、それをとりまくカルチャーやトレンドなどを中心にして、思わず誰かに言いたくなるようなネタを提供していくコラムです。
米国の食文化に多大なる影響を与えてきたファストフード・ビジネスが、いま大きく変わろうとしている。
米国のファストフードと言えば、まずマクドナルドを頭に浮かべる人が多いのではないだろうか。70年以上にわたり米国でファストフードの時代を切り開いてきたマクドナルドは、近年、ビジネスの低迷に悩まされている。米国マクドナルド社によると、8月のグローバルでの売り上げは、2003年以来過去最悪となる3.7%減少となった。その内訳は、米国で2.8%の減少、欧州地域では0.7%の減少。そして、アジア・パシフィック(中東とアフリカも含む)地域では、14.5%も落ち込んだ。
ファストフード文化を世界中に拡大させてきたマクドナルドの停滞を横目に、今、米国ではファストフード界に新たなトレンドが巻き起こっている。食のクオリティを追求する「ファストカジュアル」の台頭だ。そして、その中心になっているのが、人気急上昇中の「Chipotle Mexican Grill(チポートレ・メキシカン・グリル)」だ。
チポートレは、ブリトーやタコスを中心としたメキシコ料理のファストフード店で、米国に約1600店舗を展開している。2013年度の売り上げは前年比18%増の32億ドル(約3455億円)を計上し、右肩上がりだ。ただメキシコ料理のファストフード店は、チポートレが先駆者というわけではない。老舗でいえば、Taco BellやDel Tacoなどが有名だし、他にもファストフード店はたくさんある。
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