VAIO Phone発表で日本通信の株価が急落シンプルすぎる端末(1/2 ページ)

» 2015年03月13日 02時00分 公開
[Business Media 誠]

 日本通信は3月12日、Android搭載スマートフォン「VAIO Phone」を発表した。3月20日から出荷する。

VAIO Phone

 VAIO Phoneのサイズは5インチ、LTEに対応し、最新版のAndroid 5.0(Lollipop)を搭載している。端末単体の価格は5万1000円と、SIMフリースマホとしてはやや高めだが、24回分割払いにした場合の月額料金プランはは2980円(端末分割代金+音声通話+高速データ通信 1Gバイト)または3980円(端末分割代金+音声通話+高速データ通信無制限)と、安価に設定されている。

 音声通話とデータ通信に対応した専用のmicro SIM「VAIO Phone 専用SIM」を提供するが、他社のSIMカードを挿しても利用できる。

発表があった3月12日の日本通信の株価。13時半の発表会開始直後に少し値上がりし、14時に終了してから大きく下げた(出典:Yahoo! ファイナンス)

 「日本のSIMフリースマホ市場は、海外メーカー製の低価格モデルと、国内メーカー製の高価格モデルに二分しており、真ん中がすっぽり抜けている。VAIO PhoneはSIMフリースマホ市場の『ど真ん中』を狙った」と日本通信の福田尚久副社長は胸を張るが、発表会が終わった14時頃から日本通信の株価が急落。前日終値は605円だったが、発表会が始まる13時半には634円まで上がり、その後540円まで売られて終値は前日比7.6%減の559円となった。この日の東証値下がり率ランキング、出来高ランキング共に上位である。

 これほど市場が反応したVAIO Phoneとは、いったいどんなスマホなのか。

VAIOはデザインのみ、極めてシンプルなAndroid端末

 今回の製品は「VAIO Phone」という名称ではあるが、VAIOでは製造を行っておらず、デザインのみを担当している。

 デザインについてVAIO執行役員の花里隆志氏は「黒基調のシンプルなデザイン。表面の光沢と、側面のマット仕上げのコントラストが特徴。マット仕上げの側面は、握りやすさを重視したソフトタッチ塗装にしている」と紹介した。確かに実機を見ると、本体は凹凸が少なく、ガラスっぽい光沢の黒い背面に銀色のVAIOロゴが控えめに光る、シンプルなデザインとなっている。

 デザインがこれほど限定的なのは、ゼロから起こしたものではなく、ベースとなっている海外メーカー製の端末があるからだ。5インチディスプレイ(720×1280ピクセル)、CPUは1.2GHz動作のクアッドコア、内蔵メモリ2Gバイト、内蔵ストレージ16Gバイト、バッテリーは2500mAhというスペックは、他社のSIMフリースマホと比較しても特に目立ったところはなく、ミドルレンジといえる。

 中身も“素”のAndroid 5.0そのままだ。今後、日本通信の提供する「03スマホ」(固定電話番号から発信できる)機能やヘルスケア機能、企業導入時などに役立つオートセットアップ機能などに対応していく予定というが、当面は余計なアプリがいっさいインストールされていない、極めてシンプルなAndroid端末として販売されるようだ。

VAIO PhoneはSIMフリースマホの「ど真ん中」を狙った、と日本通信。ど真ん中に投げたら打たれるのではないかと思ったのは筆者だけだろうか……
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