20代の日本酒離れをくい止めるには?:誠 Weekly Access Top10(2007年9月11日〜9月17日):
2003年、日本酒は約50年ぶりに国内出荷量で焼酎に抜かれた。大きな理由と考えられているのが、若者の日本酒離れだ。20代が日本酒を好きになるにはどうしたらいいか、スーパーの酒売り場で考えてみた。
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先週もっとも読まれた記事は、「『ブラウザの文字サイズ最大』が半数以上――家庭用PC」。調査対象となっているのが子育て支援サイトの読者というかなり限定された集団だったとはいえ、ディスプレイサイズは14〜15インチが34.1%、ブラウザの文字サイズを最大にして見る人が半数以上という結果には記者もびっくりした。
とくに驚いたのは文字サイズの設定。最大にしている人が55.2%、大にしている人が25.9%。文字サイズを大以上の大きさにしている人が、実に8割以上という計算になる。しかしはてなブックマークの指摘にも一部あった通り、文字サイズについては「ウィンドウを最大」と勘違いして回答している可能性は高いのではないか。Webブラウザの文字表示サイズを変更して使っている人が、それほど多いとも思えないのだが……。
ためしに文字サイズを変えて「誠」を表示すると下の写真のようになる。文字サイズを最大にすると、1画面あたりの情報量はかなり減り、レイアウトも崩れやすくなる。この例は画面解像度を1024×768ピクセルで画面をキャプチャしたのでまだいいが、解像度が800×600ピクセルであれば1画面に表示できる情報量はさらに少なくなる。もしこのアンケート結果通り、家庭用PCでは「文字サイズ最大/大」の人が8割以上いるとすれば、世のWebデザイナーはかなり焦るのではないだろうか。
日本酒を飲まない理由
2位の「日本酒が嫌われる3つの理由」は逆に、記者にとっては「ああ、納得」という印象の記事だった。
記事にもあるように、20代、30代ではそもそもお酒を飲む習慣が減っており、特に20代では「清酒を飲んだことがない」という人が増えている。飲んだことがなければ好きになるわけはないし、このままではじりじりと日本酒を飲む人の数は減っていくだろう。
スーパーやコンビニの酒売場に行くと、まず目に付くのはサワー/カクテル/酎ハイ系商品と、発泡酒や“第3/第4のビール”といったビール類。あとは(本物の)ビール、プレミアムビールで棚のほとんどが占められている。一部カップやパックなど、飲みきりサイズの日本酒も売られていないわけではないが、サワー/酎ハイやビール類に比べれば圧倒的に商品数は少ない。
サワーや酎ハイ、ビール類に共通するのは“価格が安くて飲みやすく、350〜500ミリリットルで飲みきりサイズ”という点だろう。特に酎ハイ系の商品は価格が安く、場合によってはソフトドリンクよ安く、100円前後で売られているのをよく見かける。しかも酎ハイ系商品はテレビCMが頻繁に流れており、商品の認知度も高い。CMに起用されているタレントを見ても、若者がターゲットであることは明白だ。ここに対抗できる日本酒商品が売られるようにならないと、日本酒の新しいファン層を開拓するのは難しいのではないだろうか。
一方、頻繁にCMが流れ、しかも価格が安い日本酒といえば、1リットル以上のパック酒(2級酒)がほとんどである。日本酒の場合、広く流通している商品がそもそも若者のほうを向いていないのだ。自分でも料理酒としてはパック酒を使うけれど、そのまま飲んだことは一度もない。周りでパック酒を買って飲んでいる20代の友人も思い浮かばない。
記者はあまりお酒が飲めないのだが、おいしい日本酒は本当においしいと思うし、日本人が日本酒を飲まなくなっていくのは、ある意味文化的な損失だと考えている。それだけに、以前取材した「和醸和楽」のような取り組みや、シャンパンのような日本酒の開発、飲みきりサイズのカップ酒として地酒を販売する試みなどはうまくいってほしいと心から願っているのだが、味が変わりやすく管理が難しい日本酒を、おいしいままで広く流通させることの難しさは、素人の記者にも想像が付く。
層の拡大のためには本格的な地酒だけでなく、エントリー向けに“ライトでおいしい日本酒ドリンク”も必要ではないかと思うのだ。大手飲料メーカーが、酎ハイやビール類飲料並みに広く安く販売する日本酒ドリンクが登場することが、20代の日本酒離れを食い止める最短の道ではないかと記者は思うのだが……。
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