第1回 まずは税金ってナニ?:パソコン好きが青色申告を体験してみると?(2/5 ページ)
【短期集中連載】税金というナゾ。会社勤めの人でも覚えておくと損はない基礎的な知識を、筆者が独立するにあたり実際にいろいろやってみて知った中からお伝えしていこう。
数字が5つ並んだら、電卓ではなく表計算ソフトを立ち上げるPC好きなITmedia読者なら、確定申告は手書きではなく青色申告ソフトを使うはずだ。今回は市販されている青色申告ソフトの比較なども含め、確定申告に関して数回に分けて書いていきたい。
昨年独立し今年初めて確定申告を行う方や、今年こそ独立を計画している方を対象に書いているが、皆さんの中には、いつか独立を──と考えている人もいると思う。青色申告ソフトの使い勝手を比較する前に、今回と次回で税金の概要や節税について触れておこう。
なお、筆者は税金の専門家ではない。多少アバウトな部分もあると思うが雰囲気を理解いただければと思っている。より詳しく知りたい方は起業、独立や確定申告の専門書をお読みいただきたい。
個人事業主と法人──どちらがお得?
起業、独立する場合、個人事業主か法人かを選択することになる。筆者の場合、個人事業主で屋号を「アイピーアール」としている。
個人事業主のメリットは手続きが簡単なこと。具体的には税務署に書類を1枚出すだけで開業できる。費用もかからない。個人事業主は利益が出なければ税金を払わなくていい。さらに会計事務所等の費用負担が少ない。ほかには接待交際費が全額経費で落とせるなどのメリットもある。
逆に法人化するメリットは社会的信用のアップ、融資が受けやすい、社会保険に入れるなど。ちなみに法人の場合、最初に登記費用として20〜30万円が必要となる。最も大きいのは、もうかったときに節税しやすいことだろう。法人化に関する書籍を読むと、所得(売上−経費)が400〜500万円を超えると個人事業主より法人化した方が税金を減らせるようだ。
メリット、デメリットとは別に職種によるところも大きい。原稿を書くライターという職業は、屋号すらなく個人名でも仕事をもらうことはできるが、商社や製造業のように売り買いがある事業の場合、個人では取引してもらえないケースが多い。このあたりは節税以前の問題でなので、業種によっては売上規模に関係なく法人化するべきだ。
独立の秘訣──1
余談だが、筆者が屋号を付けたのは電話がしやすいからだ。「もしもし奥川です」と企業に電話をすると「どちらの奥川さんですか」と聞かれてしまう。屋号を付けて「iPRの奥川です」と電話すれば、たった1人のiPRでも、普通の会社と同様にすんなりと取り次いでもらえる。
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