最終回 決算処理を比較する:パソコン好きが青色申告を体験してみると?(3/7 ページ)
税金のキソから節税、各青色申告ソフトのインストール、さらに各ソフトへの伝票入力と進んできた今回の短期集中連載。最終回は入力したデータを元に、申告のために必要な決算処理の出来を見ていこう。
一括償却と即時償却、そして固定資産税
一括償却と即時償却を比較すれば即時償却のほうが得に思えるが、土地、建物、車を除く資産が150万円を超えると固定資産税を納めなければならない。
話は複雑で、即時償却で処理した資産は固定資産税の対象となるが、一括償却は固定資産の対象にならない。固定資産税は税率が低いので気にするほどではないが、手持ちの資産が多い場合は一括償却を選択したほうが得になる場合もある。
さらにいえば、売り上げが毎年伸びて、課税所得が年々増えるなら、今年より来年、来年より再来年の経費が増えたほうがトータルでは得になることもあり得る。つまり早く償却してしまうのではなく、長期間かけて減価償却するほうがいい。よく考えるのも手だが、筆者はあまり深く考えないことにしている。
決算書作成
青色申告で提出する決算書は、損益計算書、貸借対照表、減価償却費など4ページからなっている。これにより、事業の損益や資産状況などが分かるので、仕事の通信簿みたいなものだといえよう。「第1回まずは税金ってナニ?」で説明した売上(収入)−経費=所得は決算書を見れば明らかになる。
筆者のように、仕入れもなく、従業員もいないフリーランスは意外に記入するところは少ない。とはいえ、理解することも難しいし、サッサッと書けるものでもない。だが青色申告ソフトを使用すれば、初めての人でも完成させられるようになっている。
確定申告書作成
「第1回 まずは税金ってナニ?」で説明した所得−各種控除=課税所得の部分に当たるのが確定申告書だ。個人事業主の場合は「確定申告書B」を使用し、第一表、第二表の2ページからなっている。社会保険控除、配偶者控除、扶養控除などを記入し、確定した控除額を決算書から転記した所得から差し引きすることで課税所得、および所得税が決まることになる。
以上の家事関係費の案分、減価償却、決算書、確定申告書の入力を3社の製品で比較してみたい。
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