農村地域で少年時代を過ごした読者なら、田んぼで泥だらけになりながら魚を捕った記憶があるのでは。栄養豊富な田んぼは、さまざまな生きものにとって重要な生育の場だ。その生態系を明らかにしようと農林水産省と環境省が共同で、全国各地の田んぼの「魚」と「カエル」の生息状況を調査した。
魚調査が実施されたのは全国約1500地点で、88種の魚を確認(日本に生息する淡水魚の約3割)。なかでも、もっとも確認地点が多かった魚はドジョウだった。農薬に弱いドジョウは時代とともに数が減っているとされるが、しぶとく生き残っているようだ。以下、ギンブナ、タモロコ、カワムツ、メダカが順に多く確認された。
カエル調査を行ったのは全国349地点で、14種のカエルを確認した(日本に生息するカエルの約3割)。もっとも確認地点が多かったカエルはニホンアマガエルで、北海道から九州まで広い地域で目撃された。以下、トノサマガエル、ヌマガエル、ツチガエル、ニホンアカガエルと続く。
調査期間は2007年の5月から10月。行政機関や地域団体、小学校など534団体の参加により、46都道府県で実施した。
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