米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が、窓を太陽光発電装置にする技術を開発した。
同校の研究者らはこれまでにない「太陽光集光器」を開発した。この集光器は窓のような広い面に照射された太陽光を収集し、それを縁の部分に集中させる。このため、屋根を太陽電池で覆うのではなく、ガラスパネルの縁の部分にのみ太陽電池を取り付けるだけでいい。さらに、縁に光を集中させることで、個々の太陽電池から得られる電力は40倍以上になるという。
現行の集光器は可動式の大型鏡材を使っていることが多いが、MITの集光器は複数の塗料を混ぜたものをガラスやプラスチックに塗る。この塗料がさまざまな波長の光を吸収し、それを別の波長で放射して、縁の太陽電池に運ぶ。
このシステムは製造が容易なので、3年以内に導入されるかもしれないと研究チームは考えている。これを既存のソーラーパネルシステムに加えれば、最小限のコストで効率が50%高まるとしている。
この研究成果はScience誌の7月11日号に掲載される。研究チームのメンバーは、この技術を開発し、製品化するための企業Covalent Solarを立ち上げる。
関連記事
- 日陰での太陽光発電効率を上げる新技術、National Semiconductorが開発
- iPod充電器にも──フィルム型太陽電池の柔軟な活用法
- 「太陽光発電ブラ」トリンプから
- 照明にも窓にもなる太陽電池 シャープ
- “Photovoltaic”──いまさら聞けない太陽電池、燃料電池って何?
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.