“高級自転車”には乗れなくても:誠 Weekly Access Top10(2008年8月2日〜8月8日)
健康や環境問題への関心が高まっているため、自転車メーカーには追い風が吹いている。高級志向の自転車も増えているが、そんな自転車が街を走り回るようになると別の心配事が生まれてくるかもしれない。
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先週最も読まれた記事は、「危ない108社……監査人が認めた"イエローカード企業"はどこ?」。筆者が注目したのは2位の「クルマ通勤はもう古い!? 男性向けハイテク自転車最新事情」。自転車で自宅から30分かけて通勤している筆者にとっては興味深い話だったが、紹介されているハイテク自転車の値段が軒並み10万円以上と知って、落胆した次第だった。買えないことはないが、そそっかしい筆者は夜道で下水道に落ちたり自動車にひかれたりして、1年に1台は自転車を壊してしまうため割に合わないのだ。
本当にこんな値段の自転車に需要があるのかと、大手自転車部品メーカーのシマノの2008年12月期第1四半期財務情報(連結)を読んでみると、「欧州市場では、あらゆる車種の需要が、米国、アジア、中南米市場では、クロスバイクなど中級車種を中心に需要がのびました。同様に、国内市場では、中高年の方が余暇を楽しむ手段のひとつとして中級、高級のスポーツバイクを選ばれる一方、軽快車においても品質重視の傾向が強まってくるなど、自転車市場が活性化してまいりました」と書いてある。健康や環境問題への関心が高まるなか、同社の2008年度第1四半期業績は売上高が2007年度第1四半期比プラス15.9%、当期純利益は同プラス14.7%と好調なようだ。
ちなみに高級自転車にはどんなものがあるのか調べてみると、記事で紹介されているポルシェの80万円モデルのほかに、フェラーリが60周年記念として189万円のモデルを販売していたりする。
もちろん筆者には手が届かない値段なのだが、世の中のお金持ちなら持っていても不思議はない。恐ろしいのはそんな自転車に道でうっかりぶつかって壊してしまうと、とんでもない額の賠償金を請求されること。自転車は自動車と違って損害保険への強制加入制度がないので、賠償金をそのまま払わなければならない事態も想定される。まあ、そんな高額モデルに乗っているお金持ちなら笑って「払わなくていいよ」と見逃してくれると思いますが……くれたらいいなあ。
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