どうなる、こうなる首都圏の道路網――(2)首都高・中央環状線編:近距離交通特集(3/3 ページ)
今後の首都圏での高速道路建設計画を紹介する連載の2回目(全4回)。今回は「3環状」の中で最も都心にある首都高速道路中央環状線の建設計画を取り上げる。
超巨大ジャンクション「大橋JCT」
中央環状新宿線のトンネルは、西新宿からさらに南へと延長され、2009年に目黒区の大橋JCTで首都高速道路3号渋谷線へとつながる予定だ。この区間は目下、建設が進められており、中でも注目を浴びているのが地上を走る首都高速道路3号渋谷線と、地下を走る中央環状線とを接続する大橋JCTだ。
このジャンクションは、縦が約130メートル、横が約175メートルという国立競技場にも匹敵する大きさ。1周400メートルのループを2周させることで、地上約30メートルの首都高速道路3号渋谷線と地下約35メートルを走る中央環状線とを連結している巨大な構造物だ。
これら現在工事が行なわれている区間の様子は、首都高速道路のWebサイトで公開されている。
大井JCTで再び首都高速道路湾岸線と接続
中央環状線で最後に開通する予定なのが、大橋JCTと首都高速道路湾岸線・大井JCTまでの約9.4キロメートルを結ぶ「中央環状品川線」だ。2013年の開通に向けて、工事が進められている。
この区間も中央環状新宿線から引き続いて、ほぼ全線がトンネルで構成されており、今まさに大井町からシールドマシン※による掘削工事が始められようとしている。
以上のように、中央環状線は順調に行けば、3環状の中では最も早い2013年に全線が開通することになる。これによって東京の西から東、または南から北へと通過する際のルートの選択肢が増え、車の流れが分散され、渋滞が解消されると見込まれている。
これまで東京は海外の大都市に比べると自動車による移動が困難だとされていたが、弱点が克服できることになるかもしれない。また、都心部から羽田空港へのアクセスも改善されるため、内外からの総合的なアクセシビリティが向上するだろう。
→どうなる、こうなる首都圏の道路網――(1)都心を囲む3つの環
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