冬のボーナスの使い道は「預貯金」……不況などの世相を反映
株安や企業業績の悪化などの影響により、冬のボーナスの支給額は厳しくなりそう。カカクコムの調査によると、支給予想額は昨年に比べ、4万3000円減の58万円。また8割以上の人が「自由に使えるお金が減っている」という。
今年の冬のボーナスはいくらもらえそうか? カカクコムの調査によると、前年比−7.5%の58万円という結果が出た。予想額はすべての年代で昨年を下回り、中でも40代の下落率は同−12.9%と最も大きく、「働き盛りのお父さんの懐を直撃しそうだ」(カカクコム)としている。
冬のボーナスは厳しいと予想する人は多いが、自由に使える金額はどのくらいだろうか。支給予想額58万円に対し、自由に使える金額は平均で20万5000円。昨年に比べ、自由に使える金額が増えているという人は18.4%(増えている+やや増えている)。一方で「やや減っている」(42.8%)と「減っている」(38.8%)を足すと8割以上。支給額が減るに従って、使える額も減ると考える人がほとんどのようだ。
インターネットによる調査で、全国の男女4462人(男性86.5%、女性13.5%)が回答した。雇用形態は正社員が64.6%、自営業・個人事業主が10.7%、契約社員・派遣社員が5.8%など。調査期間は11月18日から11月25日まで。
ボーナスを預貯金する理由
冬のボーナスで自由に使えるお金は、どのようにして使うのだろうか。最も多かったのは「預貯金」で42.7%。次いで「商品を購入する」(20.0%)、「子どもの教育費」(10.7%)、「旅行に行く、外出する」(9.5%)、「金融商品の購入・外貨預金など」(5.3%)という結果に。「預貯金」と答えた人に、その理由を聞いたところ「今後の生活費の補てんのため」(63.3%)が断トツ。このほか「年金など将来が不安だから」(31.7%)が「家や自動車など大きな買い物をするから」(26.9%)を上回っていることから、「消費行動よりも、漠然とした将来への不安から預貯金をする人が多いようだ」(カカクコム)
今年の冬のボーナスに影響する最も大きな要因を聞いたところ、「物価高」がトップで51.5%、次いで「株安」(42.2%)、「サブプライムローン問題」(41.1%)という結果となった。「今年は原油や食料品などの値上げが相次ぎ、消費行動の冷え込みにつながった。物価高の影響により、ボーナスの支給額が昨年と変わらなくても、実際に支払う金額は増える。そのため、自由に使えるお金の減少にもつながっているのだろう」(カカクコム)
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