節水機能をめぐる“トイレ商戦”を繰り広げているトイレメーカー。INAXが4月に6リットル型(大洗浄)を投入し、旧来型(大13リットル)に比べ約60%の節水を実現。2日間でお風呂1杯分以上の節水が可能で、水道料金は年間約1万2000円も節約になるという。これに対しTOTOは8月に、5.5リットル型(大洗浄)を販売しているが、すでに“究極”ともいえるトイレが誕生していたのだ。
コンポストトイレの使い方
「水は1滴もいりません。ニオイですか? 私も試してみたのですが、まったく臭わないんですよ」というのは、コンポスト(堆肥化)トイレの輸入代理店「庭仕事ひろば」の担当者。コンポストトイレとはし尿から水分を抜いて発酵させ、堆肥にするトイレのこと。いわゆる“ぼっとん便所”は尿と大便を一緒にするため腐敗が始まり、悪臭が漂う。しかしコンポストトイレはうまく水分を取り除くことでニオイをなくし、さらにし尿を堆肥に変えるというもの。
コンポストトイレの使い方は、まずトイレの便座から「サイクローブ・ミックス」(サン・マー製、1回分150円)を投入する。このほか、おが屑や腐葉土などを入れることにより、タンク内に微生物の活動を促す。おが屑などを入れる量は1日1人使用するとして、コップ1杯分。そして週に1〜2回、手動式のハンドルを使ってタンクを回せば終了(週末しか利用しない人は、その時に回せばOK)。
「タンクを回すことで、空気を取り込めることができるんです。もし気温や水分の急激な変化によって悪臭が発生しても、換気パイプからニオイが出るので不快に感じることはありません」。またタンクの下にあるサーモヒーターによって、水分を蒸発させるという。
2カ月ほどで堆肥が完成
コンポストトイレを1カ月ほど継続して使用すれば、“機は熟す”ようだ。今度はハンドルを反時計回りに回すと、一番下の箱に堆肥が落ち、そこから取り出すという仕組み。「もちろん取り出した堆肥にもニオイはなく、それを外で1カ月ほど乾燥させれば完成です」
ここで気になるのは、使用済みとなったトイレットペーパー。大量にタンク内に入れるとうまく堆肥化できない可能性もあるが、少量であれば大丈夫だという。このコンポストトイレ――もちろん自宅にも置くことはできるが、購入者の多くは別荘や工房などに設置しているそうだ。「自分のモノは自分で堆肥にして、土に還してリサイクルするのはいかがでしょうか」とも。
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