本のことは100円ノートにまとめなさい! 奥野宣之氏の“読書術”:ベストセラーの著者が語る(3/3 ページ)
「この本は以前に読んだけど、何を書いていたか、忘れてしまった」という人も多いはず。多読や速読ではなく、1冊ずつしっかり記憶するのにはどうすればいいのだろうか? ベストセラー『読書は1冊のノートにまとめなさい』の著者に話を聞いた。
本を読む理由は「賢くなりたい。ただそれだけ」
ここで疑問に感じる人もいるかもしれない。「PCを使って検索リストを作成するのであれば、本に関する内容や感想もPCを使ってデータベース化した方がいいのでは」と。奥野氏もかつては、PCを使って情報管理を試みたことがある。しかし問題点が2つあった。
1つめは、いつもPCを持ち歩かないといけないということ。業界紙の記者をしている奥野氏のカバンの中身を見させてもらうと、デジタルカメラ、携帯電話、ファイル、本(5〜6冊)、筆記用具、電子辞書、ポメラ、ノート、路線図が詰め込まれている。このほか、そのまま出張に行けるように歯ブラシセットなども持ち歩いている。「以前はノートPCを持ち歩いていたこともあるのですが、さすがに重くてあきらめました」。今では原稿書き用に、ポメラをカバンの中に入れている。
2つめは、PCに書きとめることが“作業的”だったこと。奥野氏は居酒屋などに行って、ふと思いついたアイデアもノートに書く。そんなシーンで、わざわざノートPCをカバンから取り出すのは面倒だ。「本の感想をブログに書くことも考えたのですが、現実的でないので止めました」。実は奥野氏は本の感想で、「おもしろくねー」と書くこともしばしば。「こうした素直な気持ちはブログを通して、人に見せるものではない。日本の書評文化は人をけなすものではないですから」とも。
「僕は紙とペンを中心に使っていますが、回顧主義でも何でもありません。単に実用的だから使っているだけ。PCの前ではお茶をこぼせないですし、寝ながらキーボードを打つのも難しい。もしPCを使って、いい方法があれば教えて欲しいですね」と、“自分流”にはこだわらず、いいものを取り入れようと貪欲(どんよく)だ
読んだ本を忘れたくない。そして新しいアイデアを生み出したい――。そんな思いから始めた読書術。朝、通勤、夜……時間を見つけては本を読み続ける奥野氏に「なぜ本を読むのですか」と聞いてみた。「賢くなりたいだけ。ただそれだけです」と答えた。
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