予想PERが36.05倍……下で口を開ける日経平均3000円台の恐怖:現役東大生・森田徹の今週も“かしこいフリ”(2/2 ページ)
相変わらず株式相場の低迷が続いているが、8000円前後で推移する日経平均株価は“適正”なのだろうか? 自称「学生投資家」の森田氏は、株式指標などを使って日経平均株価がいくらに収束するのかを分析してみた。
市場を歪ませる怪しい動き
英国のブラウン首相が思わず「Recession(景気後退)」を「Depression(恐慌)」と失言してしまったような市況の中、主要企業の業績予想が過度にネガティブに出されている面は否めない。2週間前は500円台だった予想EPSが200円台に落ち込んでいるのは、通常の感覚から考えればやはりどこかおかしい。
しかし、米国での日本内需関連ADR(American Depositary Receipt、米国市場で外国企業が発行する証券)発行急増に代表されるような消去法での「過度な評価」、そして公的年金のPKO(Price Keeping Operation)の噂やちらつく最後の買い手的な報道(関連リンク)など、需給を歪ませていそうな要因は多い。また既に日経平均株価全体のPBR(株価純資産倍率)は1倍割れと、会社の解散価値が意識され始めているだろう(付け加えれば、米国は米国で雇用統計の歴史的悪化でオバマ景気刺激案が可決するとの公算から投機資金流入で上昇するなど、オバマ期待で歪んだ状況のままである)。
だが本当にこれらの業績予想が正しく、短期的な需給動向が落ち着いた先にファンダメンタルズに基づいた「Reversion to the Mean(平均への回帰)」が待っているのならば、日経平均株価はいくらに収束するのだろう。
単純な掛け算である。株価は、予想EPSとPERの積で出ることになっている。とすると先ほどの高く見積もった値で、
224円×15.80倍=3539円
日経平均株価は3539円。少なくともファンダメンタルズは、既に日経平均株価3000円台説を許容しているのである。とはいえマーケットの次なる関心は、米国を中心とした政府の財政出勤による景気浮揚の正否である。ブッシュの戻し税(いったん納めた税を、一定の方法で国民に返還する臨時の減税方法のこと)で半年はもったのだから、それ以上つっこめば株価は上がるだろうというのが感覚的なところだが、今回の「Depression(恐慌)」はどれだけ深いのか正直なところよく分からない。
つまりは、2月13日の金曜日暴落説も(関連記事)、結局はマーケット次第というところなのだろうか。
どこまで行っても相場というのは分からないものである。
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