円安、マイナス金利を考えて、“堅実なFX”を実行中:FX好きを探せ(1/2 ページ)
FXに対しばくち的なイメージを持つ人は多い。しかし今回紹介するI.Oさんは、レバレッジを上げずに地道にFXを続けているという。その取引スタイルとは?
小遣いほどの資金を証拠金に預けるだけで、取引を始めることができるFX(外国為替証拠金取引)。自分の部屋でPCに向かって売買をしていることが多いため、他人がどんな取引をしているのかを知らない人も多いのでは。
「いろんな人の取引スタイルを知ろう」ということで、前回は自宅で仕事をする自営業のH・Iさんの手法を紹介。常にPCの前で仕事をしているため、時折画面を見ながら少しの値動きで利益をコツコツ積み上げるのが特徴だった。しかし多くの人にとって、いつもPCに張り付いて取引できるわけではない。
そこで今回は会社員であるI・Oさんの事例を紹介。平日の日中……仕事に追われている人にとっては、I・Oさんの取引を参考にしてみるのはいかがだろうか?
プロフィール
I・Oさん(男性)、会社員30歳
本人コメント:レバレッジは2倍以下。相場の流れに乗ることを基本とした取引をしています。
1.投資経験は?
株式投資5年。投資信託7年。FXは2年前に始めました。
2.元手はいくら?
100万円
3.取引通貨は?
ポンド/円
4.取引する時間帯は?
23時くらい
5.よく使うチャートは?
MACD(マックディー)
6.取引期間は?
数日もしくは数週間
7.成績は?
レバレッジが低いので大きな利益はないですが、ここ1年では10%くらいです
MACDを使うI・Oさん
――なぜFXを始めたのですか?
私の投資スタンスは、原則長期投資です。株式はしっかり銘柄研究をしてから投資していますし、投資信託も毎月積立タイプのものでコツコツ行っています。投資信託で海外への投資をしていますが、外貨で投資する商品は保有していなかったので、長期投資の一環として外貨を組み込んだ金融商品に投資しよう、と思ったのがきっかけです。
最初は外貨預金や外貨MMFを検討していたのですが、FXは手数料が安いことを知り、証券会社で口座を開設しました。しかし実際に始めてみると「FXは長期投資に向いているのか?」という疑問がわいてきました。
――実際はどのような取引をしていますか?
そもそも「外貨投資をしよう」と思ったのは、日本円だけを持っていると円安になったときに資産を減らすかもしれない、と不安に感じたから。円安は円の価値を下げることを意味しますので、外貨を持っていれば円の価値が下がった分をカバーできるかもしれないと思ったからです。外貨を保有することを目的に投資しようとしていたため、あまり金利や為替差益などを気にしていませんでした。FXは元手の数倍の取引ができるわけですが、私は元手以上の取引をするつもりはありませんでした。しかし「スワップ金利が将来マイナスになったら、どうしよう」と考えるようになりました。
FXの場合、金利の低い通貨で金利の高い通貨を買うとスワップ金利という利息のようなものがもらえます。外貨預金の金利のようなものですが、逆に金利の高い通貨で金利の低い通貨を買うとこのスワップ金利を支払わなければなりません。つまりマイナス金利ですね。将来、日本の金利がほかの通貨に比べてずっと低いという保証はなく、レバレッジをかけずに投資していたとしても、マイナス金利になる可能性があるわけです。
2008年の年末、一時的にドル/円がマイナス金利になったことがありました。FXの場合、いろいろな通貨ペアの取引ができるためマイナス金利にならないよう分散投資ができますが、いまのところ私は複数の通貨ペアで売買はしておりません。
私は会社員ですし、売買する時間的な余裕もないので、数日もしくは数週間単位で取引することにしています。また、取引の基本は「順張り」。逆を読む「逆張り」ではなく、相場が一定の方向に動きだしたのを確認してから取引することにしています。
また通貨は、「ポンド」を基本にして売買しています。ほかの通貨と比べ、ポンドは値動きが激しい傾向があるため、ポンドを選んでいます。株式や投資信託の場合は長期投資を基本としていますが、FXは私にとってゲームに近い存在。でも、どうせやるならそれくらいの方が楽しいと思っています。レバレッジはせいぜい2倍程度で大きなリスクはとらない方針です。
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