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アサヒビールは“パンドラの箱”を開けたのか? うまさの裏側にある不安それゆけ!カナモリさん(5/6 ページ)

発売されたばかりの発泡酒「アサヒ クールドラフト」を飲んで、筆者の金森氏は思わず唸ってしまった。うまかったのである。しかし、そのうまさゆえに、ある不安を感じたという。その不安とは……?

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3月23日 アサヒビールはパンドラの箱を開けたのか?

 発売されたばかりの発泡酒「アサヒ クールドラフト」を飲んで思わず唸った。しかし、そのうまさゆえに、とある不安を感じてしまった。

 クールドラフトのCMがすごい。豊川悦司が射すくめるような鋭い目で語りかける。「一番うまい発泡酒を、決めようじゃないか。」。BGMはロッキーのテーマ。戦闘的だ。アサヒの本気度がビシビシ伝わってくる。しかし、一体誰に対して、「一番を決めよう」と挑戦しているのだろうか。

 分析する前に、少しビール類市場を概観してみよう。

 かつてビール市場でのシェアが 10%を割り込むまでに落ち込んでいたアサヒビール。ご存知の方も多いと思うが、「ビールのうまさは“キレ”」という新たな価値観を訴求した。「スーパードライ」の販売である。シェア50%超えを誇るキリンビールの牙城を切り崩し、一気に首位の座を奪取した。11年前のことだ。

 そして、共同通信の記事によると、2008年のビール市場(発泡酒と第3のビールを除く)で、アサヒビールのシェア(市場占有率)が、初めて50%を超えることがほぼ確実となった、という。

 一方で、発泡酒と第3のビールを含む「ビール類市場」で見ると、昨今、「ビール」の販売量低下には歯止めがかかっていない。産経新聞の記事によれば、ビールの構成比は46.8%と平成4年(1992年)の統計開始以来、過去最低の水準であるという。

 今回アサヒが勝負をかけてきたのは、発泡酒だ。このカテゴリーには、キリンの「麒麟淡麗〈生〉」という強力なブランドが存在する。スーパードライで起こしたような逆転劇は再び起きるのだろうか……。

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