就労できたのは13人、平均月収は? 年越し派遣村のその後
年末年始にかけて東京・日比谷公園に突然姿を現した「年越し派遣村」。彼らのその後の生活は、どのように変化したのだろうか。年越し派遣村の実行委員会の調べによると、就労環境の厳しい状況が浮き彫りに。
年越し派遣村が開村してから半年が経過したが、その後、仕事を始めた人はどのくらいいるのだろうか。年越し派遣村の実行委員会が行った調査によると、就労が確認できた人は13人にとどまり、雇用環境は厳しい状況が続いていることが明らかになった。
月収で最も多かったのは30万円で、営業職の正社員に就いた50代の人だった。このほか警備のアルバイト(12万円)や駐車場のパート(10万円)など、回答があった人の平均月収は17万6000円だった。
郵送による調査で、年越し派遣村に登録している108人が回答した。
体調不良を訴える人は半数以上
回答者で生活保護を受けている人はどのくらいいるのだろうか。回答のあった108人のうち、生活保護によって生計を立てている人は、約8割に当たる81人。受給者の多い地域は、「足立区」が最も多く10人、次いで「板橋区」(9人)、「練馬区」(7人)、「中野区、江戸川区、所沢市、日野市」(4人ずつ)と続いた。
また体調不良を訴える人は58人と、半数以上の人は何らかの問題を抱えているようだ。
年越し派遣村に登録している人は、どのような悩みを抱えているのだろうか。自由に回答してもらったところ「就職は決まったが、債務のことで悩んでいる。公的機関に相談したが、解決方法が見つからない」「仕事を探しても見つからない。家族5人を亡くし、相談相手がいない。失業手当12万4000円で医療費や生活費などの出費があり、貯金できない」「なかなか仕事が決まらず、少し焦りが出ている。バイト・パートでもいいからとにかく仕事に就こうと思っている。働きながら正社員で雇ってもらえるところを探そうと思っている」といった声があった。
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