学校ビオトープと学校の庭……この違い分かりますか?:松田雅央の時事日想(2/3 ページ)
「学校ビオトープの環境教育」と「学校の庭の環境教育」の違いをご存じだろうか? 環境教育に関心がある人あればイメージできるだろうが、「よく分からない」「初めて聞いた」という人も多いのでは。今回の時事日想は、本家本元ドイツの環境教育を紹介する。
庭を構成する3つの区画
畑の区画
学生が実際に農作業を行う畑、ハーブ畑、温室、農具小屋、コンポストがある。
ビオトープの区画
池と小川、草原、砂地、低木の茂み、ハチの巣など、いろいろなタイプのビオトープがある。
体験の区画
素足で歩く小道、花壇、ハーブなどがあり、五感を使って自然を体験できる空間。
ここは教育大学の施設なので、普通の学校の庭とは内容と利用目的が違う。まず規模が大きく、設備が整い、管理状態が良好で、動植物が多様だ。ここで実習を受けた学生は将来小中学校の先生となり、それぞれの赴任先で学校の庭を管理したり新設することになる。
教育大学の学校の庭の役割
実習の庭
学生が実習を通して、学校の庭の管理・運営方法を学ぶ。
モデル
小中学校で学校の庭を作る際のモデルとなる。
教員研修
一般の教員が、この庭へ来て短期の研修を受けることができる。
ビオトープに触れられる公園
平日の日中はビオトープに親しめる公園として一般市民に開放されている。
特に興味深いのは、ここが学生と子どもたちのコミュニケーション空間になっていること。庭の公開日など、学生は子どもを相手に学校の庭を使った環境教育について実地に学び、「環境学習に対する子どもたちの反応」も観察できる。
また、この庭は市民にも開放され、平日9時から夕方6時まで中を散策することができる。街には花と芝生のきれいな公園が数多くあるが、小魚が住む池・昆虫のための花の草原などビオトープを含んだ公園はごく少数だ。規模は小さいが市民が多様な自然を学べる公園としても貴重である。
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