コラム
冬のボーナスが下がる? いや……来年も再来年も上がらない:新連載! 吉田典史の時事日想(3/3 ページ)
ある研究所の調査によると、冬のボーナスの支給額は過去最大の下げ幅だという。「業績が低迷しているから、仕方がない。来年はきちんともらえるだろう」といった考えは改めた方がいいかもしれない。その理由は……?
修羅場をどうくぐり抜けるか
最後に、この厳しい時代を会社員はどのように生き抜けばいいのかを尋ねた。
柘植さんは目の前の仕事をきちんとこなしていくこと、そしてそれを深く掘り下げ、完全に自分のものにすることが大前提だという。その上で、良い人間関係を築くことが大切だと説く。「仕事の基本は、良好な人間関係。足元を見つめ直すいい機会なのです」
杉山さんは、上司との人間関係に着眼する。「ボスが何を求めているのか、職場はどうなっているか、自分は何をどうすればいいのか」と常に考え、先回りして仕事をすることを提案する。さらに、仕事のスピードの大切さにもふれた。「金曜日が締め切りの仕事を水曜日に終えれば、上司の評価は高くなるでしょう。こういうところで差がついていきます」
これからは少ないパイをめぐり、その争奪戦が一段と激しくなる。今年の冬のボーナスは、その過酷な時代の幕開けでしかない。来年の夏も、その後も続くのだ。あなたは、覚悟ができているだろうか。
2人のコンサルタントへの取材を終えた翌日、東京新聞の朝刊に次のような記事が載っていた。
「同社が、9月下旬から10月上旬にかけて全国主要企業208社を対象に景気に関するアンケート調査を実施したところ、3分の2以上は景気の本格的な回復を来年の後半以降と答えた。さらに、15%が『再来年(2011年)前半』と回答している」――。杉山さんと柘植さんの分析と重なり合っていた。
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