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コラム

キムタクの「タマホ―――ム♪」は、戦略的にどうなのか(2/2 ページ)

木村拓也さんが出演している、タマホームのCMを見たことがある人も多いはず。人気タレントを起用したことだけで、CM効果は十分だろう。しかし「ビバリーヒルズにタマホームを建てたら」と言われても……と違和感を覚える人も多いのではないだろうか。

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 さらに、タマホームの看板やチラシや販促ツールに出てくる木村拓哉さんは、見事に同じ衣装で、同じようなカットばかり……。いろいろと制約があったのだろうことが予測できる。

 面白いけど、親切ではないのだ。ノリだけで、どこもフォローされていないのだ。そこにタレントはいるが、お客様がいない。

 企業のブランディングを「売れ続ける仕組みをつくること」だと定義した場合。この木村拓哉さんを起用したタマホームのブランド戦略は、あまり功を奏していない。きっと認知は上がったが、モデルハウスへの質の高い顧客の誘導実数は増えていないはず。既にタマホームで家を建てた人達が、このCMを見てどう感じたのか、聞いてみたい。きっと、肯定的ではないはず。

 住宅会社のブランディングの基本は、住宅はどんな世代にとっても一世一代の買い物である。一時のノリで、家は買えない。そんな消費者心理への「心遣い」にある。

 それは言い換えると、安易にタレントありきの広告戦略では達成できないものだ。ハッピーライフ、ハッピーホーム♪――タマホームの原点となるあの広告は、実は良くできていた。(中村修治)

 →中村修治氏のバックナンバー

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