日本民営鉄道協会は11月19日、大手民鉄16社※において、4月〜9月の間に発生した駅員や乗務員に対する暴力行為の件数を発表した。暴力行為の発生件数は115件(対前年同期4件プラス)となり、2000年度の調査開始以来、過去最悪の件数となった(関連記事)。
※大手民鉄16社:東武、西武、京成、京王、小田急、東急、京急、東京メトロ、相鉄、名鉄、近鉄、南海、京阪、阪急、阪神、西鉄。
具体的な事例として「終点に到着した電車の座席で横たわって寝ている酔客(20歳代)に対し、駅係員が降車していただくよう何度も呼びかけた。目覚めたお客様に座席に座っていただき、再度降車を促したところ、加害者が突然、駅係員を殴った」、「最終電車終了後、駅係員がホームにいたお客様(40歳代)に本日の電車は終了したことをご案内したところ、突然殴る蹴るの暴行を受けた。駅係員はすきを見て駅事務所内へ逃げたが、加害者に事務所まで追いかけられ、他の駅係員とともに再度暴行を受けた」など、理由もなく暴力がふるわれるケースが多かったという。
発生件数を曜日別で見てみると、「日曜日」が最も多く24件。次いで「土曜日」の21件、「水曜日」の17件、「金曜日」の16件と続いた。また時間帯では「深夜(22時〜終電)」が最も多く54件。このほか「夜(17時〜22時)」が27件、「日中(9時〜17時)」の23件、「朝(始発〜9時)」の11件という結果に。
加害者の年齢を見てみると、30代が最も多く30.2%。以下「20代以下」(21.7%)、「40代」「60代以上」(いずれも17.0%)、「50代」(14.2%)だった。30代までの層が過半数を占めるなど、「加害者の若年化が進んでいる」(日本民営鉄道協会)という。
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