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コラム

電気自動車に乗ればCO2が増える? ドイツのジレンマ松田雅央の時事日想(2/3 ページ)

今でこそ電気自動車(EV)の話題を見聞きすることは珍しくないが、10年ほど前には“近未来カー”といったイメージを抱いている人も多かったのではないだろうか。今回の時事日想は自動車大国・ドイツでの、EV事情に迫った。

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 例えば、充電システムの規格に全国ソーラーカー連盟の運営する「Park&Charge」があり会費を支払えば全国に設置された充電ボックスを利用できるようになっている。しかしながら設置は72カ所のみで、まだ社会実験の域を脱していない。

 現在、EVの充電システムには各種規格が混在しており、近い将来、統合が必要になるはずだ。


Park&ChargeのEV充電ボックス(出典:Park&Charge Stromtankstellen)

ソーラーカーレース出場

 1990年にカールスルーエ・ソーラーカー協会を結成した中心メンバーは技術系の学生だった。最初のプロジェクトはソーラーカー世界大会“Tour de Sol”に参加すること。およそ10万ユーロの寄付を集め「デルフィン号」を自主開発し、1992年にTour de Solの小型ソーラーカー部門に参戦した。このカテゴリーでは搭載した太陽電池(バッテリーとの組み合わせ)だけを利用し、規定のコースを設定時間通りに走ることで順位が競われた。年々成績を上げ「次は1位を!」というところでレースがなくなってしまい、残念ながら「無冠の王者」となったが、その後はドイツの国内大会で優勝を遂げている。

ソーラーカーレースに参加するデルフィン号(出典:Solarmobil Karlsruhe e.V.)、デルフィン号と協会の中心メンバー

デルフィン号のスペック

項目
全長 4980mm
全幅 1780mm
高さ 950mm
太陽電池出力 480W
バッテリー(鉛蓄電池) 10×12V=120V、4.8kWh
モーター出力 6-12kW
重量(バッテリー込み) 790kg
最高速度 120km/h
0-70km/h加速 11秒
定員 1名
走行可能距離(フル充電、太陽光なしで) 200km
1kmあたりの電力消費量 20Wh

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