パナソニックの「AC/DCハイブリッド配線システム」
住宅内直流配電の取り組みをより具体的に展示していたのが、パナソニックブースの「AC/DCハイブリッド配線システム」。この配電システムは、中核である「AC/DCハイブリッドパワーステーション」を介して、太陽光発電システムや燃料電池コージェネレーションシステム、蓄電池からの直流電力と電力会社からの交流電力を直流配線と交流配線に配電するというものだ。
AC/DCハイブリッドパワーステーションは、(1)太陽光発電システムからの高圧直流電力を、感電しても生命に別状ない電圧とされる48ボルトの低圧直流電力に変換する電圧変換、(2)太陽光発電システムからの直流電気を交流電気に変換するDC/AC変換、(3)電力会社からの交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換――の3つの機能を兼ね備えたもので、パナソニックブースの担当者によると技術開発はすでに完了しており、実証実験のフェーズに入っているという。
一方、宅内配線側ではエアコンや冷蔵庫、洗濯機や電磁調理器など高電圧が必要な機器は交流配線に、LED照明など低電圧でも駆動できる機器は直流配線に接続される。ブース担当者によると、「高電圧を必要としないPCやテレビ、オーディオなどのデジタル機器も、DCコンセントを介して直流配線に接続されるようになるだろう」としている。
交流配線に接続されている機器でも、インバータ搭載機種であれば直流配線に接続した方が電力変換ロスは少なくてすむはずだ。それについてブース担当者は「高電圧の直流電力は、万一感電してしまった場合の安全性が担保されていない。このため宅内直流配線は48ボルトという低電圧にしており、高電圧が必要なモーター駆動機器や電磁調理器が使えない。また、すべての電化製品が一挙に直流に切り替わることはありえないので、交流配線の必要性は今後も残る」と説明した。
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