御社の会議、面積効率はどれくらい?(2/2 ページ)
ビル・ゲイツはあらゆる経営数字を徹底的に分析したことで知られる。その分析が今のマイクロソフトを築き上げる要因となった。もし彼なら、会議の効率を何を指標に分析するだろうか。
やっかいなのは意思決定のための会議
そもそも会議は大きく2つに分けられる。報告・連絡、そして意思決定だ。
報告・連絡系の会議は一昔前に比べれば、基調としては減少傾向にあるだろう。メール、グループウェアなどのコミュニケーションツールが進化したせいで、単なる報告・連絡のために人が(経費を使ってまで)集まることはさすがに減っているはずだ。
やっかいなのが意思決定のための会議である。意思決定の会議を狙い通りに機能させることは難しい。そこで新しいやり方を取り入れている企業として、日経産業新聞にキヤノン電子が紹介されていた。
同社は単位面積あたりの生産性を上げることにテーマを絞り、改善に取り組んだ結果、会議も単位面積あたり効率を考えてはどうかという問題意識を持つに至った。そこで採用されたのが「立ち会議」である。
そのやり方はといえば、まずテーブルを用意する。といっても、イスに座ることを前提とした高さではない。立ってちょうどよい高さに資料を置いたり、PCを置いたりできる仕様となっている。まわりを取り囲めば7〜8人が参加できるサイズだ。極めてコンパクトである。
従来の会議室と比べれば、その面積を数十分の1に収めることも可能だろう。立ったままで会議をすると、勢い議事進行も早くなる。ムダ話もなくなる。参加者の意識も集中する。結論が出ないままに延々と議論が堂々巡りすることは、みんなが嫌がる。といった効果があり、「かつて16時間かかることもあった役員会議は、3時間で済むようになった(日経産業新聞2008年5月14日付)」という。
これなどは面積効率に着目して会議を進化させた好例ではないだろうか。ビル・ゲイツ流数字による経営分析のバリエーションとして、面積効率という指標は応用範囲が広い。御社の経営を見直す指標の1つに、ぜひ取り入れてみてはいかがだろう。(竹林篤実)
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