勝間和代さん的な生き方をどう思われますか?:ちきりん×phaの「そんじゃーダラダラと」(5)(2/2 ページ)
謎の社会派ブロガー・ちきりんさんと、プログラマーでありながら日本一のニートを目指しているphaさんの対談5回目。エリートの道を歩んできながら、今年中に失業するというちきりんさんは、勝間和代さん的な生き方についてどのように感じているのだろうか。
勝間和代さん的な生き方
土肥 ちきりんさんは勝間和代さん的な生き方についてどう思われますか? 例えば“何事にもものすごく努力し、幸せを勝ち取る”といった生き方ですね。
ちきりん そういう生き方が好きで、かつできる人はいいんじゃないでしょうか。しかし私は、「多様性のある社会がまとも」だと思っています。勝間さんのような人がいてもいい。だけど全員が彼女のような生き方を目指す必要はないでしょう。逆に全員がニートになるべきだとも思わない。いろんなタイプの人間がいることが大事ですよね。
私は以前、金融の世界にいたのでマーケットという概念にものすごく強く影響されています。マーケットというのはいろんなものがグチャグチャにあって、その中からこの目的にはコレ、この目的にはコレといった感じで最適なものが選ばれていく。同じものしかない市場というのは弱いんですよ。例えば鉄鋼株しかない株式市場というのはあり得ない。もし鉄鋼がダメになると、市場がダメになるから。または1つの国にハイテク産業しかなかったら、ハイテク産業がこけると国の経済が潰れてしまう。
鉄鋼もあってハイテク産業もあって、食品、金融、サービスなどいろいろなものがある方が、相対的に強い。その方がよいアイデアが生まれやすいし、国の経済が豊かになりやすいんです。金融の世界に入って、最初に叩き込まれたこと、それはマーケットってすごい力があるということなんです。
そして、マーケットの力がある=多様性があるということだと。多様性の中には勝間さんのようなタイプの人間も必要ですし、phaさんのような人もいなければいけない。また私のようなオバサンになってから、ニートになる人も必要。でも私の同僚には、カツマーはあんまりいないですけど(笑)。
土肥 ちきりんさんの周りには、ちきりんファンはいても勝間ファンはいないということですね。
ちきりん ハハハ。私のいる環境が特殊なのかも……あっ、こんなことを言っていると怒られてしまう。いや、勝間さんファンもいるかもしれない、ということにしておいてください!(笑)。
→第6回へ続く。
ちきりんさんのプロフィール
関西出身。バブル最盛期に金融機関で働く。その後、米国の大学院への留学を経て現在は外資系企業に勤務。崩壊前のソビエト連邦などを含め、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。
関連記事
- 日本に貧困は存在するのか?――“貧困の定義”を考える
貧困問題を考える時の第一歩は“貧困の定義”だというちきりんさん。どのような視点から、貧困を定義付けるべきだとちきりんさんは考えているのだろうか。 - 引きこもりに男性が多い理由
東京都の2008年調査によると、“引きこもり”の71.4%が男性ということでした。なぜ男性は引きこもるのか? なぜ女性は引きこもらないのか? その理由と対策を考えてみました。 - “スペック”が高い人の特徴
どこの職場やコミュニティにもいる“できる人”。そういう人の類型を、PCのスペックになぞらえて表してみると……。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.