コラム
「就職氷河期、サイコー!」な人たち:ちきりんの“社会派”で行こう!(3/3 ページ)
就職氷河期に直面したため、多くの人が希望の職に就けなかった“ロスジェネ世代”。そんなロスジェネ世代の中では、就職活動に成功した人と失敗した人との間に大きな格差ができている、とちきりんさんは主張します。
就職氷河期が生む“世代内格差問題”
今年の採用シーズンでも、多くの企業が「採用は数より質」としており、より絞り込んだ採用をすることを表明しています。これは、「少数の人を選んで彼らだけに機会を与え、そのほかの多数の人たちを門前払いする」ということを意味します。
再度、「成長と仕事の機会に恵まれる少数の選ばれた人たち」と「無策な労働市場に放置される多数の人たち」という構図が再現される懸念が高まっています。
しかも、ここで放置された人たちは、数年後にたとえ景気が回復したとしても、A君のような人には追いつけなくなってしまいます。「同じ世代の中の格差」は一生継続し、その上、年をとるとともに大きくなっていく可能性さえあるのです。
新卒採用が社会訓練を受けられる機会への唯一のチケットとなっているこの国では、就職氷河期問題は“世代間格差問題”としてだけではなく、“世代内格差問題”としても深刻な問題をはらんでいると言えるのではないでしょうか。
そんじゃーね。
著者プロフィール:ちきりん
関西出身。バブル最盛期に金融機関で働く。その後、米国の大学院への留学を経て現在は外資系企業に勤務。崩壊前のソビエト連邦などを含め、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。
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