中年の雑誌離れが鮮明に――5割近くが「3〜4年前より読む頻度が減った」
ここ数年、出版業界では空前の不況の嵐が吹き荒れており、経営破たんした出版社も多い。雑誌の休廃刊も相次いでいるが、特に年代が上になるほど、ここ3〜4年で雑誌を読まなくなった人が多くなるようだ。ORIMO調べ。
ここ数年、出版業界では空前の不況の嵐が吹き荒れており、経営破たんした出版社も多い。雑誌の休廃刊も相次いでいるが、消費者は雑誌とどのように関わっているのだろうか。
ORIMOの調査によると、20〜59歳の男女に「1カ月のうちに読む雑誌(マンガ以外)の冊数」を尋ねたところ、最も多かったのは「1〜2冊」で31.9%。以下、「1冊未満」(24.3%)、「雑誌は読まない」(18.0%)、「3〜4冊」(17.0%)、「5冊以上」(6.9%)が続いた。月平均で見ると、1.64冊の雑誌を読み、842円を支払っているようだ。
昔と比べて、雑誌を読む頻度はどう変わっているのか。「1カ月のうちに読む雑誌(マンガ以外)の冊数の3〜4年前と比べての変化」を聞くと、「増えた」は12.1%、「変わらない」は43.8%、「減った」は44.1%だった。
年代別に見ると、「減った」の割合は40代(50.0%)が最も高く、「増えた」の割合は年代が下になるほど高くなっていた(50代3.6%、40代7.1%、30代12.0%、20代19.1%)。年代が上になるほど、雑誌離れが進んでいるようだ。
興味のある雑誌は?
どんな雑誌に興味があるのだろうか。「雑誌(マンガ以外)を選ぶ基準」を尋ねると、最も多かったのは「自分の興味のあるジャンルである」で73.6%。以下、「役立つ情報がある」(67.9%)、「面白い情報がある」(54.1%)、「以前から読んでいる」(19.5%)、「付録に関心がある・欲しい」(16.4%)、「好きなタレント・歌手が出ている」(11.9%)が続いた。
男女別に見ると、「役立つ情報がある」は女性(60.0%)より男性(75.8%)の割合の方が高く、「付録に関心がある・欲しい」は男性(7.0%)より女性(25.8%)の割合の方が高かった。
「はまっている雑誌や最近気になる雑誌」を聞くと、男性のランキングの上位には「ビジネス」(29.5%)、「趣味・レジャー」(20.1%)、「専門」(13.1%)が並び、女性のランキングの上位には「ファッション」(43.2%)、「情報・トレンド」(13.9%)、「総合」(10.4%)が並んだ。
モバイルによる調査で、対象は20代〜50代の男女800人(男性400人、女性400人)。調査期間は4月18日から27日。
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