コラム
大丸期待の「うふふガールズ」に、幸運の女神はほほえむか(3/3 ページ)
大丸京都店が大改装して作ったコーナー「うふふガールズ」。鳴り物入りでスタートした売り場をみると、意外な事実が見えてきた。いや、ほんと、女性向けマーケティングは難しい。
情報誌世代の意識
そこでロールアップに戻る。このスタイルを仕掛けたファッションクリエイターは、まさかアラフィフ世代までがロールアッパーになるとは思っていなかったのではないか。しかし、今どきのアラフィフは(アラフォーはもちろんだが)情報誌世代であり、情報感度は高いのだ。
すなわち、流行りものに目ざといのである。そして、団塊世代について、「彼らの認識年齢は実年齢より10歳は若い」と言われたが、その下の世代ともなると20歳くらい若い感覚をしているようだ。
いわば、F1とF2の溶融現象が起こっているのではないだろうか。その結果が「うふふガールズ」の売り場で見られる客層となった。おそらく当初設定されていたであろうセグメント、ターゲット、ポジションの中で、ターゲットが想定外の人たちをも呼び寄せたということになる。
「とりあえず賑わっているから良し」とすべきなのか。それとも、本当に来て欲しいF1層が入りづらくなるから困っているのか。大丸さんの現状認識を聞いてみたいところである。
おまけ:もっと年配の方だって
ちなみに母の日のプレゼントを買いに、息子と「うふふガールズ」に赴いた時のことである。売り場にはロマンスグレーの見事なカップルがおられた。その男性の方がいわく「ちょっと、こんな若い人の服を、あなたは着るのかね?」、女性の方が答えて「今、着替えてみるから。似合っていれば、歳なんて関係ないでしょう」
その通りである。(竹林篤実)
関連記事
- プロになる目安は1万時間
ビートルズがブレイクした秘密は無名時代の“1万時間”にあったという。名付けて“魔法の1万時間”。何かに秀でるために最低限必要な時間をどうやってひねり出せばよいだろうか。 - ユニクロが作り上げた“一人勝ち”の仕組み
日本全体が不景気の中で、ほとんど一人勝ちと言えるのがユニクロ。ユニクロといえば、そのビジネスモデルやマーケティングが注目されるが、その偉大なる変革者としての姿を見落としてはいないだろうか? - スタバ、インスタントコーヒー発売の危険な賭け
その名を「VIA(ヴィア)」という。スタバが米国で新発売したインスタントコーヒーである。あえてカニバリゼーションにつながりかねない商品展開に踏み切った背景は何なのだろうか?
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.