軽快な撮影が楽しめる「Minolta-35」:-コデラ的-Slow-Life-
革を張り替え、新品同様となった「Minolta-35」に、FEDの52ミリ/F2.8レンズを装着して、さっそく撮影してみよう。手に馴染むサイズのMinolta-35は、いい相棒になりそうである。
革を張り替え、気持ちばかりは新品同様となった「Minolta-35」。さっそく撮影してみよう。レンズは先日購入した、FEDの52ミリ/F2.8である。オリジナルの標準レンズはSuper Rokkorというブランドで、50ミリ/F2.0、50ミリ/F1.8、45ミリ/F2.8などがあったようだ。
これまでもLマウントのレンズを物色したことがあったが、正直Super Rokkorなど全然意識して探したことがなかった。数がたくさん出ていて値段もこなれているなら目に付いていると思うが、そうでもないところを見ると、それほど数はないのかもしれない。
早々にオリジナルレンズはあきらめて、廉価ながら性能は悪くない(ただし当たり外れが多い)旧ソ連製レンズで使えそうなものを探してみることにした。
旧ソ連製LマウントとしてはJupiterがよく知られている。筆者はJupiterを持っていなかったので、1本ぐらい買っとこうかと思ったが、のぞいた店ではどうも距離合わせのレバーが出っ張っているものばかりだったので、結局またFEDになってしまった。機会があれば、Jupiterも試してみたいところである。
さて、標準レンズが50ミリなので、おそらくファインダーも50ミリに合わせてあるのだろう。まあ、52ミリならちょっと狭くなるぐらいなので、実際の使用には問題ないはずである。
実際に撮ってみると、シャッターのレスポンスが非常にいい。実際にシャッターが切れるまでのストロークが浅いということもあるが、ボタンも非常に軽い。んっ、と思った瞬間には撮れている感じである。報道用途でよく使われたLeicaをモデルにしたこともあって、このあたりのテイストも似せてあるのだろうか。実は筆者はLeicaを使ったことがないので、よく分からないのだが。
露出がこれまた微妙な……
露出に関しては、若干ではあるが設定値より半絞りぐらい明るくなるようである。少しシャッタースピードが、目盛りの値よりも遅くなっているのかもしれない。
シャッタースピードは、1/500の下が1/200、以下1/100、1/50、1/35、1/25と続く。丁度半分になっていないスピードのところがあるので、カンであと一段上げる、下げるという調整が微妙にはまらない。
また、市販の露出計では1/500から1/250、1/125、1/60……と半分ずつで刻んであるわけだが、1/250、1/125、1/60あたりの露出で撮りたいときに、Minolta-35ではいくつに設定すればいいのか、微妙に悩む。
おそらく1/50が基本になっているのは、Leicaがドイツの電源周波数である50Hzに合わせてあるところから来ているのだと思うが、日本では微妙に使いづらいスピードである。
ファインダーは、部屋でのぞいた時には二重像がはっきりして見やすいと思ったのだが、光量のある屋外ではちょっとよく見えなかった。レンズの目盛りを見ながら目測でだいたい合わせたあと、二重像で確認するといった方法で凌ぐしかなさそうだ。
FED 52ミリ/F2.8の傾向としては、開放でも深度はそれほど浅くはならないが、ボケ味はなかなかいい。ただ若干色味が淡泊なので、カラーよりもモノクロフィルムのほうがいい描写のレンズなのかもしれない。
ともあれ、これまでLマウントのカメラは巨大戦艦のようなZORKI-4しかなかったので、手に馴染むサイズのMinolta-35は、いい相棒になりそうである。もう少しボディに合うレンズを、ゆっくり探しに行こうと思う。
小寺 信良
映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作はITmedia +D LifeStyleでのコラムをまとめた「メディア進化社会」(洋泉社 amazonで購入)。
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