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売れるコンテンツは私たちの内側にある(1/2 ページ)

モノが売れない時代にどうすればコンテンツを開発することができるのか。その鍵の1つは自分たちの内側にあると筆者は主張する。

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著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)

株式会社パトス代表取締役。


 商品が売れない。デフレと言われ、「低価格のものしか売れない」とされながら、ここへきてその低価格商品も売れていない。

 イオンが7月7日に発表した数字では、2010年3〜5月の連結決算は前年同期比2.5%の減収だという。デパクロという名称まで付けられ、少しだけ上向きの気配を見せた百貨店も、6月の大手百貨店4社の売上高は、全社が前年実績を割り込んでいる。さらに、ユニクロや王将までもが「前年を割り込んだ」と発表している。

 片や、iPhoneやiPadを中心としたモバイル端末、その端末を活用したソーシャルメディアの話題だけは事欠かず、私の周辺でも「新しいモバイル端末を活用した新商品やマーケティングツールを投入できないか」と頭を悩ます人が多く、「iPhoneアプリで何か作れないか」「iPadを使って何かできないか」といった話ばかりよく聞く。

 それだけ「売る」ための材料がなく、相変わらず国内消費市場を活性化するためのアイデアを出すために、四苦八苦しているということなのだろう。

 各企業の商品開発やマーケティング担当は、本当に大変な日々を過ごしている。「モノが売れない」時代に、彼らは何を作り出し、市場に投入すればいいのだろう。やはり、はやりの端末やネットを駆使し、どこよりも早く話題の商品を活用した先制パンチを繰り出さなければならないのだろうか。

 7月12日付の日経MJに、観光立国を目指すという岡山県総社市についての記事があった。「古墳にコーフン」という地域の観光イベントで、山中にある古墳を自転車でサイクリングしながら見て回るというものだ。記事によると、岡山県総社市には古墳が2000以上あり、全国でも有数の古墳集積地であるという。

 意外なのは、イベントを企画した主催者でさえ、「地元では当たり前すぎて、古墳が観光になるとは思っていなかった」と語っていることだ(同記事より)。当事者にしてみれば何のことはないものでも、周りから見れば立派なコンテンツであり、商品化に値するというケースはいくらでもあること。この例は、「売るものはない」と言わず、自分たちが元来持っているものを再発見し、磨き直せば、そこには何かしらのコンテンツが現れてくる1つの好例だろう。

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