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コラム

第35鉄 真夏日の鉄分補給は涼しいミニ博物館で杉山淳一の+R Style(5/6 ページ)

太陽ギラギラ夏本番、こう暑いと外に出るのも嫌だ……そんな人にぴったりなのが鉄道系のミニ博物館。今回は、東急電車とバスの博物館と、横浜市電保存館をハシゴしてみた。あ、旨い肉も食べてます。

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 横浜市電保存館のもう1つの目玉は、鉄道模型の大パノラマだ。大きなレイアウトの両側から眺められる。OゲージとHOゲージの線路が組まれ、片側からはOゲージ中心、もう片側からはHOゲージ中心の電車を眺める。Oゲージには横浜市電が走っているけれど、パノラマ全体としては、横浜市市営地下鉄や横浜を走った国鉄やJRの車両もあって賑やかだ。レイアウトの下の小さな通路を通ると、レイアウトの中央から見渡せるという仕掛けもあって、こどもたちが楽しそうに潜り込んでいた。


鉄道模型パノラマは新旧のヨコハマを再現

横浜市電も模型では現役

市営地下鉄やJR車両も走る

 パノラマを走る電車の他にも、国鉄を中心としたOゲージの車両の展示が充実している。市電保存館なのになぜ? と思う人もいるだろう。実はこれ、横浜市在住の個人のコレクション。所有者の死後、遺族から寄付され車両たちだ。この車両を保有した吉村栄氏は当時から有名な鉄道模型愛好者だった。博物館には詳しいプロフィールが書かれていないけれど、吉村氏は自宅ガレージの2階に巨大なOゲージのレイアウトを保有し、休日は近隣のこどもたちを招いて運転会を開いていた。

 この心優しい「電車のおっちゃん」は、車両のほとんどを自作していたことで趣味人からも一目置かれていた。なかでも傑作は「キャンディ貨車」だった。こどもたちがレイアウトに集まると、ときどき貨車にお菓子を満載した列車を走らせて、こどもたちに振る舞っていた。筆者はガレージに行ったことはないけれど、吉村ガレージの様子はたびたびテレビ番組で紹介されていた。博物館の吉村コレクションには懐かしい電車がたくさん並んでいたが、キャンディ貨車は見つからなかった。実物にない車両だから展示されていないらしい。しかし、あのキャンディ貨車こそが吉村氏の人柄を表していたと思うんだけどなぁ。


吉村栄氏のコレクションを展示。懐かしの名車ばかり

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