第35鉄 真夏日の鉄分補給は涼しいミニ博物館で:杉山淳一の+R Style(6/6 ページ)
太陽ギラギラ夏本番、こう暑いと外に出るのも嫌だ……そんな人にぴったりなのが鉄道系のミニ博物館。今回は、東急電車とバスの博物館と、横浜市電保存館をハシゴしてみた。あ、旨い肉も食べてます。
帰り道に旨い肉を見つけてしまった
市電保存館前というバス停があって、ここからJR根岸線の磯子駅に行ける。しかし今日はバス営業所前の滝頭から吉野町へ戻った。来るときは知らなかったけれど、市電保存館で映像資料を観て、この道が元は併用軌道だと知ったからだ。そしてもう1つの理由は、さっき地下鉄の吉野町駅を降りたとき、良さそうな雰囲気のもつ鍋屋『もつしげ』を見つけたから。カウンターの内側に鎮座する大鍋が気になった。
店に入り、「塩もつ煮込み」とお任せ串6本を注文。煮込みは大鍋から出てくると思っていたら、大鍋ではスープのみ熟成させているとのこと。もつは煮込みすぎると風味が落ちるので、下処理をした後、最後に大鍋のスープをくぐらせる。なるほど、柔らかくて臭みもなくて、モツの甘みがうまい。お任せ串はハツとツナギとバラと……なんだっけ。野菜串として青くて長い唐辛子。初めて食べた。そして、花咲軟骨という珍しい串も。これは大腿骨に付いている、肉の絡んだ軟骨を叩いたものだそう。肉はどれも脂がのって、甘みと旨味のバランスがいい。シメはじゃこが入った焼きおにぎり。半分はそのまま食べて、残り半分はモツ煮込みの塩スープでお茶漬け風に。これにレモンサワーを合わせて2000円でおつりが来た。
帰りは地下鉄よりも景色の見える電車が良かろうと、少し足を伸ばして京急の南太田駅へ向かった。そうそう、横浜市電保存館はちょっと不便なせいか無料駐車場もあるのだが、バスで行った方がいい。なぜって、明るい時間に酔っぱらって街を散歩するのは、とても気持ちがいいからだ(笑)。
今回の電車賃
東急田園都市線 渋谷−宮崎台 210円、東急田園都市線 宮崎台−あざみの 150円、横浜市営地下鉄ブルーライン 350円、市営バス113系統 吉野町−滝頭 210円(均一区間)
電車とバスの博物館 100円、横浜市電保存館 100円。
なお、東急電車とバスの博物館の休館日は毎週月曜(月曜が祝祭日の場合は翌平日)と年末年始(12/29〜1/3)。横浜市電保存館の休館日は毎週月曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始(12/29〜1/3)。ただし、春休み、夏休み、冬休みは無休
著者プロフィール:杉山淳一
肉食系鉄道ライター(魚介類が苦手)にして、前世からの鉄道好き。生まれて間もなく、近所を走っていた東急池上線の後をついていったという逸話あり。曰く「いつもそばを走ってたから、あれが親だと思った」
コンピューター系出版社でゲーム雑誌の広告営業を経験した後、フリーライターとなる。オンライン対戦ゲーム、フリーウェア、PCテクニカルライティングなどデジタル系の記事を専門とし、日本初のEスポーツライターとしてオンライン対戦ゲーム競技を啓蒙する。
趣味は日本全国の鉄道路線探訪で、現在の路線踏破率は約8割。著書は『もっと知ればさらに面白い鉄道雑学256(リイド社)』『知れば知るほどおもしろい鉄道雑学157(リイド社)』『A列車で行こう8 公式ガイドブック(エンターブレイン)』など。
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