大成建設と東光電気は7月22日、共同開発した次世代型人感センサーを活用してゾーン単位で空調や照明を自動制御するオフィス環境制御システム「T-Zone Saver」を開発、東光電気社屋で運用を開始したと発表した。
T-Zone Saverは、次世代型人検知センサーでゾーンごとに人の有無を検出。在席ゾーンでは通常の空調/照明環境を提供、不在ゾーンでは空調の設定温度や運転モードを変更して負荷を軽減したり、照明の光度低減もしくは消灯することで、オフィスの快適性を保ちながら空調/照明に要するエネルギー消費を最小化する。
このシステムのために両社が共同開発したのが次世代型の人感センサー。従来の人感センサーは人の移動による温度変化の検知機能とタイマー機能を組み合わせたものだったため、人が静止していると人として認識されなくなり、人がいても消灯してしまうなどの誤作動が多かった。これに対し次世代型人感センサーは、パソコンなどのような発熱機器や日射による温度変化と人体が発する温度とを識別できるため、静止状態を含めた人の在/不在をリアルタイムで認識できる。
大成建設によると、T-Zone Saverと高効率空調機器や消費電力が少なく多段階調光が可能なLED照明を組み合わせることにより、従来の一般的なオフィスに比べて、建物全体でエネルギー消費を約50%削減できるとしている。
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