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六本木の超高層ビルで自然を感じる「ネイチャー・センス展」(2/4 ページ)
「ネイチャー・センス展」は、異なるジャンルで活躍する3人の日本人アーティスト、吉岡徳仁、篠田太郎、栗林隆による企画展だ。東京・六本木の森美術館で11月7日まで開催中。
篠田太郎氏は、自身にとって初めての映像作品「残響」を展開している。巨大な3つのスクリーンにそれぞれ投影されるのは、東京都内のさまざまな場所だ。首都高の下を流れる川や植物園の一角など、日常に近い自然をまじえた東京の風景を独特の視点でとらえている。
「自然と人間が対峙するのではなく、人間の営みを含めて“自然”を考えるべきだと思っている」と語る篠田氏は、自然の側でも人間の側でもどちらでもない立場から、風景を切り取るかのよう。映像の中に差し挟まれる多摩動物園のバクが、「ただそこにいるだけ」の存在感を際立たせていて印象的だ。
さらに、篠田氏は水を使った2種類の異なるアプローチの作品を展開している。1つは自然界の水の循環に人間の血液循環を重ねあわせた「忘却の模型」、もう1つは水滴を星に見立てた、美しいインスタレーションの「銀河」。
「銀河」は、京都の東福寺にある重森三玲の設計した枯山水の庭に着想を得たもので、乳白色の液体の庭に定期的に水滴を落として星の瞬きを表現した刹那的に美しい作品だ。造園を学んだ経験を持つ篠田氏にとって、それはある種の宇宙観を見出すものでもある。
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