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主要メディアが、官房機密費問題を報じないワケ上杉隆の「ここまでしゃべっていいですか」(5)(2/3 ページ)

野中広務氏が明らかにした「官房機密費」問題が、政界とメディアを揺さぶっている。野中氏は政治評論家にもカネを配っていたことを暴露したが、主要メディアはこの問題を取り上げようとしなかった。その理由は……。

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政治ジャーナリストの上杉隆氏

上杉:いや、もっと上、政治部出身の経営陣がもっとも怪しい(笑)。

 官房機密費をもらっている人のリストには20人ほどの名前が並んでいて、最初は「この20人くらいを取材して、それで終わりかな」と思っていた。しかし『週刊ポスト』に書いてみると、いろんな人から電話がかかってくるんですよ。どういった人からかというと、政治家の元秘書が圧倒的に多かった。

 そして彼らが言う内容は、ほとんど同じ。テレビを見ていて、一般のコメンテーターやタレントが「政治家は汚い」「政治家には説明責任があるんですよ」と言っても、みんな“まあ仕方がないか”と許せるらしんですよ。しかし主要メディアの解説委員クラスが「政治家はきちんと自分の言葉で説明しなければいけない」と言うと、"カチン"とくるらしいんですよ。散々、お金をたかりに来ていた人たちだから(笑)。

相場:そりゃあそうでしょうね。

上杉:ある地方在住のある元秘書は「許しがたい!」と言って私のことを怒鳴る(笑)。

相場・窪田:ハハハ。

上杉:そして彼の日記帳には、このようなことが書いてありました。「平成○年○月○日、○○記者、○○ホテル、○○万円」と。とにかくこの官房機密費問題で怒っているのは、政治家の元秘書たち。「あの解説委員はなに偉そうなことを言ってるんだ!」「お前だけは言うな!」といった感じで怒っていますね。

窪田:丸川珠代さんが国会でヤジって話題になった「恥を知れ!」という言葉は、まさしくこういうときに使うべきなんでしょうね(笑)。

相場:官房機密費問題では、いまの解説委員クラスが標的になっていますが、その前の世代もすごかったのでしょうね。

上杉:山里会でいうと読売新聞の渡邉恒雄さん自らが政治家のところに行って、「官房機密費をよこせ。そうすればいろいろな問題を抑えてやる」などと言っていたようです。

 しかし三法会の人たちは分け前をもらえなかったから、自ら会を作った。つまり官房機密費をもらうシステムを自分たちで作ったわけですよ。

窪田:恐ろしい人たちですね。

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