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主要メディアが、官房機密費問題を報じないワケ上杉隆の「ここまでしゃべっていいですか」(5)(3/3 ページ)

野中広務氏が明らかにした「官房機密費」問題が、政界とメディアを揺さぶっている。野中氏は政治評論家にもカネを配っていたことを暴露したが、主要メディアはこの問題を取り上げようとしなかった。その理由は……。

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ノンフィクションライターの窪田順生氏

上杉:しかし、この問題を取り上げようとすると、メディアからひどい仕打ちを受けますよ。またいつものとおり、「上杉だけは使うな!」という動きならまだしも、「あいつだけは許さん。何とかしろ」と超法規的な声も出ている。だからBusiness Media 誠さんくらいしか出れなくなったんですよ(笑)。

窪田:業界の噂で、記者クラブ問題のときと同じように「上杉を黙らせろ」といった動きがあるようですけど。

上杉:あるテレビ局の幹部は「上杉だけは絶対に許さない、なんとしてでも潰せ」と言っているようですね。ま……記者クラブ問題のときも、散々言われましたが。

窪田:そこで「お前だけには言われたくないわ」という話になりますよね(笑)。

相場:経済界だと本当のことを書いたアナリストが、不要ともいえる税務調査を受けたりします。上杉さんは、このような嫌がらせを受けたりしたことはありますか?

上杉:大手新聞社やテレビは「上杉はうそつきだからは絶対に使うな」という動きになっています。あとは「上杉はインチキだ!」「でたらめだ!」といった噂を流されたりしますが、もとからインチキででたらめな性格を自覚しているんで、なんともないですね(笑)。

 でも、官房機密費問題の事実が明るみになれば、ボクのネガティブ情報を流した彼らが嘘つきになる。

窪田:どちらが嘘つきか……しばらくすると分かるでしょうね。

 →続く

3人のプロフィール

上杉隆(うえすぎ・たかし)

1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。NHK報道局勤務、衆議院議員・鳩山邦夫の公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、2002年からフリージャーナリスト。同年「第8回雑誌ジャーナリズム賞企画賞」を受賞。著書に『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』(新潮社)、『ジャーナリズム崩壊』(幻冬舎新書)など多数。

相場英雄(あいば・ひでお)

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。2005年に『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『株価操縦』(ダイヤモンド社)、『偽装通貨』(東京書籍)など多数。

窪田順生(くぼた・まさき)

1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、フライデー、朝日新聞、実話紙などを経て、現在はノンフィクションライターとして活躍するほか、企業の報道対策アドバイザーも務める。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術 』(講談社α文庫)などがある。


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