カバンの中にWOWを入れよう!自主制作プロジェクトから世界へ:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
YouTubeなどの動画投稿サイトを通じて、誰しもが世界中の人々に作品を見てもらえる現代。映像製作に携わるWOWのメンバーたちが制作した『La Promenade』にいたく感動した筆者は、その制作過程を知るべく、話を聞きに行った。
個性と創造のWow id
CMやアート展示、ファッションショーなどのために映像制作をするWOWは、映像の枠組みにとらわれない活動で著名。2008年のミラノサローネ出品作『tokyo wonder lights and shadows』では、混沌とする東京の光と闇を切り撮り、印象的につなぎあわせた。クライアントの期待を超える創造がウリだ。
tokyo wonder lights and shadows
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一方、自主制作プロジェクトWOW idは、デザイナーそれぞれが持つ個性を引き出すために、会社として仕掛けた“id Project”。デザイナーに映像制作の初心の喜びを思い出してほしいという狙いだ。しかし、クオリティは“社内発表会”の域をはるかに超える。これまでに4作品がアップされ、映像作品のアカデミー賞と言われるSIGGRAPH 2010では、WOWから3つの作品が入賞、そのうち2つはWOW idの作品(『SUIREN』と『Pissenlit』)である。
suiren
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カバンの中に「WOW」を入れて
WOW idの映像を観て、「id(=個性)とは何か」を考えさせられた。それは自分を1枚1枚はがして素に向かうこと。「WOW!」と叫ぶ自分を出すことなのだ。個性とは“他人との差別化”じゃない。それまでの自分との差別化、それに目覚めることなのである。
4人に「好きな場所は?」と聞いてみた。小島さんは井の頭公園(緑と水と花の中に老若男女がいるところ)、大内さんは岩手県(大好きな宮沢賢治の世界観にひかれて)、東市さんは沖縄(シュノーケルで観るスピリチュアルな世界)。そして石井さんは目黒川の朝焼け。徹夜明けで観た桜のシルエットが忘れられないという。『La Promande』には4人の心の原風景が重なる。
さて、あなたのバッグの中には「WOW」が入っていますか? 仕事のカバンも休日のカバンも「WOW」がいっぱいがいい。心にしまった動物たちをひっぱり出して生きていきませんか。
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