遊びのなかの色と形 クルト・ネフ＆アントニオ・ヴィターリ（5/7 ページ）

世界有数の木製玩具メーカー、スイスのネフ。創業者であり玩具デザイナーであるクルト・ネフ氏と、デザイナーのアントニオ・ヴィターリ氏の日本初となる大規模な展覧会が開催中だ。

[上條桂子，エキサイトイズム]

　どの作品もそうだが、ヴィターリ氏の作風はほぼ1940年代くらいから変わっていない。人体や動物のフォルムを抽象化し、そこに動きや表情を与えている。見る人の気持ちによって、非常に豊かな表情を返してくれるのだ。

　また、最後にはヴィターリ氏にしては珍しい16ミリのフィルム作品がある。「キツネとガチョウ」というグリム童話をもとにした作品で、自身で作った木製の木やキツネ、ガチョウを用い、コマ撮りと動画を組み合わせた手法で話は進む。人形に当てる照明の角度で表情を演出したり、手作り感溢れる映像はファン必見だ。