検索
ニュース

遊びのなかの色と形 クルト・ネフ&アントニオ・ヴィターリ(6/7 ページ)

世界有数の木製玩具メーカー、スイスのネフ。創業者であり玩具デザイナーであるクルト・ネフ氏と、デザイナーのアントニオ・ヴィターリ氏の日本初となる大規模な展覧会が開催中だ。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
エキサイトイズム

 「ノアの方舟」。これは1984年にヴィターリ氏の生誕75歳を記念して開かれた展覧会がチューリヒデザイン美術館で開催された際に、同市内の玩具店「パストリーニ」のために制作され店のウィンドウで展示したものだ。

エキサイトイズム

 すべて1点ものである。ヴィターリ氏は木彫作品を作るためにいくつもの素材を試していた。なかでも晩年に訪れたコスタリカで出会ったゼブラウッドに惚れ込んで玩具で使用するべく画策したが、生産ラインに乗せるのが技術的に困難で断念していた。この作品では、チークやゼブラウッドなどさまざまな素材を用いている。木目の出方まで細部に気を遣って削られ、磨かれた動物や人間たち。その小さな体には魂が宿っているようにも見える。

 目黒区美術館といえば、良質な積み木や玩具を積極的に「トイ・コレクション」として収集してきており、その玩具を用いたワークショップやアウトリーチ活動を行っている。ネフの玩具もそのコレクションの1つで、今回の展示でもネフやヴィタリの玩具は、一部実際に触って遊ぶことができるようになっている。

 玩具の展示は、美術作品とは違い、遠くから見て美しさを堪能するだけではなく実際に触れて使ってみなければ分からないことも多い。木のつるつる感、積み木を重ねていくことの面白さ、大きく積み上げた積み木を崩したときの音の心地よさ、無限の可能性を秘めた色と形。ぜひ、手で触って、手で感じて、手で遊んで、展覧会を楽しんでほしい。9月12日まで。

 最後に、ヴィターリ氏の言葉を1つ。

 子どもにとって玩具というのは、「おもちゃ」ではなくて「友だち」でなければならないと思う。その友だちがいつもそばにいることによって、子どもが自信を持ったりできるようなものでなくてはならないのです。私はそういう気持ちで玩具を作っています(「EDU-TOY〜ネフとヨーロッパの木製玩具たち」小柳帝著/プチブラパブリッシング刊)

遊びのなかの色と形 クルト・ネフ&アントニオ・ヴィターリ

目黒区美術館 東京都目黒区目黒2-4-36

開催中〜9月12日(日) open.10:00〜18:00(入場は17:30まで)、月休

一般700円

お問い合わせ先:目黒区美術館 03-3714-1201


Copyright (C) 1997-2014 Excite Japan Co.,Ltd. All Rights Reserved.

ページトップに戻る