第37鉄 夏の青春18きっぷ旅(1)日本三大車窓とJR最高地点を訪ねる:杉山淳一の+R Style(5/6 ページ)
1日2300円で、JRの普通列車に乗り放題の「青春18きっぷ」。今回から5回にわたり、青春18きっぷの旅をお届けする。1回目は夏の信濃路を行く。ハイブリッド車両、スイッチバック、懐かしの駅弁とトピックも盛りだくさんだ。
鉄道ファンとしては、駅の最高地点だけではなく、線路の最高地点も訪問したい。駅前の観光案内所で自転車を借り、観光チラシの地図を頼りに線路沿いを走ること約20分。「JR最高地点」の大きな看板が現れる。この脇にある踏切がJRの最高地点だ。ここは観光名所の1つになっていて、訪問者を目当てにしたレストランや土産物屋もある。駅から離れた場所だし、駐車場もあるのでクルマで訪れる人も多い。しかし鉄道名所にクルマで行くってどうだろう……。JRも観光シーズンに臨時駅と自前の観光施設を作るくらいの商売っ気があってもいいと思うけど。
野辺山に、もう1つの鉄道名所
最高地点見物の後、今度は国道141号線で戻る。最高地点の帰りとあって緩やかな下り坂。自転車も楽ちんである。立ち寄ったところは「野辺山SLランド」。ここには小さなSLが動態保存されていて、1周350メートルの線路をゆっくりと周回する。SL「362号」は台湾のサトウキビ工場で活躍した機関車で、1986年から野辺山で余生を過ごしている。
線路の幅は軽便鉄道規格の762ミリ。客車はトロッコタイプと屋根付きタイプ。一番前の席は視界が機関車の背中でいっぱいになるので、後ろの席がお勧めだ。料金は大人300円、小人200円と、この手のアトラクションとしてはお手頃である。ちなみに観光シーズン以外の平日は木曽森林鉄道出身のディーゼル機関車も走るという。
野辺山駅から再び小海線に乗って小淵沢へ。今度の列車は一般型ディーゼルカーのキハ110形だった。小海線は別名「八ヶ岳高原線」という。しかし八ヶ岳が見える区間は野辺山駅からJR最高地点までと、その先の一部区間だけ。JR最高地点からの下り勾配はほとんどが森の中だ。窓の開けたら気持ち良さそうだけど、最近の車両は空調が完備されたため窓が開かない。そこがちょっと残念だ。
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