第37鉄 夏の青春18きっぷ旅(1)日本三大車窓とJR最高地点を訪ねる:杉山淳一の+R Style(6/6 ページ)
1日2300円で、JRの普通列車に乗り放題の「青春18きっぷ」。今回から5回にわたり、青春18きっぷの旅をお届けする。1回目は夏の信濃路を行く。ハイブリッド車両、スイッチバック、懐かしの駅弁とトピックも盛りだくさんだ。
小淵沢駅着は14時23分。遅めの昼食は当駅名物の駅弁「元気甲斐」を購入した。この駅弁、実は1985年に包装されたテレビ番組『愛川欽也の探検レストラン』で企画された商品だ。名物駅弁を作ろうと、料理評論家の山本益博氏、映画監督の伊丹十三氏などが監修し、京都と東京の料亭がレシピを作り上げた。命名は愛川欽也氏。この手の駅弁は期間限定ですぐに終わってしまうものだけど、「元気甲斐」は番組の終了後も人気が衰えず、今年で発売25周年を迎えた。
中央線の風景を眺めながら駅弁を……と思ったら、立ち食いそば店で「山賊そば」の文字を見つけてしまった。そばの上に大きな山賊焼きが載っている。山賊焼きは甲州、信州の郷土料理の1つだ。大きな鶏の一枚肉を竜田揚げ風に調理する。学生時代を信州で過ごした筆者の好物である。これは見逃せないな、と注文した。衣にニンニクを使っていて香ばしい。ふと他のメニューを見ると、「当店の肉そばは桜肉です」の文字。なんと、馬肉を使った駅そばとは珍しい。うーむ。こっちも食べたいけど、さすがに無理だ……。
「元気甲斐」はかばんの中へ。夕食のお楽しみとしよう。
青春18きっぷ旅:バックナンバー
→夏の青春18きっぷ旅(1)日本三大車窓とJR最高地点を訪ねる
→夏の青春18きっぷ旅(3)SLだけじゃない! 魅力満載の大井川鐵道
→夏の青春18きっぷ旅(4)日本一のモグラ駅をズルい方法で訪ねた
→夏の青春18きっぷ旅・最終回 富士山外周、山北駅のD52とB級グルメを訪ねる
今回の電車賃
JR 青春18きっぷ:2300円(1回分)
JR東日本:新宿−立川 450円
松本電鉄:松本−新島々 680円×2
しなの鉄道:930円
野辺山観光案内所 レンタサイクル 800円(2時間)、野辺山SLランド 入場無料 SL乗車1回300円
著者プロフィール:杉山淳一
肉食系鉄道ライター(魚介類が苦手)にして、前世からの鉄道好き。生まれて間もなく、近所を走っていた東急池上線の後をついていったという逸話あり。曰く「いつもそばを走ってたから、あれが親だと思った」
コンピューター系出版社でゲーム雑誌の広告営業を経験した後、フリーライターとなる。オンライン対戦ゲーム、フリーウェア、PCテクニカルライティングなどデジタル系の記事を専門とし、日本初のEスポーツライターとしてオンライン対戦ゲーム競技を啓蒙する。
趣味は日本全国の鉄道路線探訪で、現在の路線踏破率は約8割。著書は『もっと知ればさらに面白い鉄道雑学256(リイド社)』『知れば知るほどおもしろい鉄道雑学157(リイド社)』『A列車で行こう8 公式ガイドブック(エンターブレイン)』など。
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