コラム
市民が選ぶ「エコカー・オブ・ザ・イヤー」に、どのクルマが選ばれた?:松田雅央の時事日想(4/4 ページ)
ドイツに「エコカー・オブ・ザ・イヤー」という賞があるのをご存じだろうか。自動車業界ではなく、VCD(ドイツ交通クラブ )という環境系市民団体が主催している。業界のしがらみに一切とらわれないので、“市民が選ぶエコカー”といえるだろう。
市民の声がメーカーと国を動かす
VCDがエコカー・オブ・ザ・イヤー・プロジェクトを主催しランク付けを行う目的は、協会員と消費者に対する働きかけと、メーカーや国に対する働きかけという2面性を持つ。
協会員と消費者がよりエコロジカルなクルマを買うための手助けとなることはもちろん、結果的にエコカー市場の活性化に寄与するだろう。そしてこういった消費動向はメーカーのエコカー開発を後押しし、より優れたエコカーを生み出すモチベーションとなるはずだ。また、政治的な議論を呼び起こしクルマの環境規制や自動車のエコ化の流れを強化することも期待できる。
そもそも筆者がVCDのエコカー・オブ・ザ・イヤーのことを知ったのは全国ネットのテレビニュースであり、メディアの注目度がかなり高いことが分かる。VCDの専門家はいわば「プロの目を持った市民」である。そういった一般市民の主張が世論、メーカー、さらには国にまで直接影響を与えるということは特筆に値することだ。
関連記事
- 東京都民が、クルマを所有しない理由
あなたはなぜクルマを所有しないのですか? クルマを所有するつもりのない東京都民に聞いたところ、「徒歩と公共交通機関で十分だから」という人が最も多いことが分かった。東京都調べ。 - 「クルマでデート」はもう古い?――若者のクルマ離れの実態
クルマは2〜3年前に比べて、買い物などの日常的な用途では頻繁に使われるようになったが、デートなどの非日常的なイベントには使われなくなっているようだ。朝日大学マーケティング研究所調べ。 - “休日分散化”の先進地域、欧州のバカンス事情を見る
日本では観光庁が2012年を目処に計画しているゴールデンウイークの分散化。すでに休日分散化が行われているドイツやフランスではどのように休みがとられているのか、実情を調べてみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.