三菱重工業と京都市は9月2日、電気自動車(EV)バスを実際の営業運転に近い条件で運行する実証実験を2011年2月に実施すると発表した。
同実験は、京都市が実施地域に選定された国土交通省の2010年度「環境対応車を活用したまちづくりに関する実証実験」に基づくもの。三菱重工製EVバス1台を京都市交通局が循環路線で運行し、公募モニターに既存のバス停で乗降してもらうなど営業運転に近い条件で実証実験を行い、道路混雑状況などによる走行可能時間や必要な充電間隔、乗客の乗り心地など、EVバスの走行性能や機能性を調査・検証する。また、自転車やバイク、歩行者への影響など、EVバス運行上の課題についても調べる。
同時に三菱重工は、京都市が日産自動車、三菱自動車工業、堀場製作所と共同で取り組んでいる「次世代EV京都プロジェクト」に参画する協定を締結すると発表。同協定に基づき三菱重工は、2011年2月に実施する実証実験の結果を踏まえて量産プロトタイプEVバスの開発を進め、2012年度には走行実験を行うなどEVバスの実用化を進めるほか、目的地到着予定時刻などの交通情報や目的地周辺の観光情報などを提供するEVバス情報通信システムを2012年度に開発する計画。
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