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ちゃんちゃらおかしいよ! 正社員を“守る”ことはちきりん×赤木智弘の“ちゃかす”が正義(6)(1/3 ページ)

「働きたいのに働くことができない」――。ロスジェネ世代の雇用問題を解決するためには、どのようにすればいいのだろうか。この問題について、匿名ブロガーのちきりんさんとフリーライターの赤木智弘さんがある考えを示した。それは……?

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 全10回でお送りする、匿名ブロガー・ちきりんさんとフリーライター・赤木智弘さんの対談連載6回目。「自分は働きたいと思っているのに、企業が雇ってくれない」という若者も多いだろう。いわゆる“ロスジェネ世代”の雇用問題を解決するためには、どのようにすればいいのだろうか。この問題について、ちきりんさんと赤木さんが語り合った。

赤木智弘さんのプロフィール

1975年8月生まれ、栃木県出身。長きにわたるアルバイト経験を経て、現在はフリーライターとして非正規労働者でも安心して生活できる社会を実現するために提言を続けている。

著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』(双風舎)、『「当たり前」をひっぱたく』(河出書房新社)がある。ブログ「深夜のシマネコ」、Twitter「@T_akagi


労働は“資源”


フリーライターの赤木智弘さん

ちきりん:経済的な格差について、政権与党が自民党から民主党に変わって、少しは良くなったと思いますか?

赤木:どうでしょうか……。民主党に投票した多くの人は「昔のような日本にしてくれ!」といった思いがあったのではないでしょうか。例えば「経済成長すれば世の中は良くなる」と思っていたりする。絶対にそんなことはあり得ないんだけれども、それを望んでいる人が「民主党に投票した」という印象がありますね。「自民党のほうがいい」「いや民主党のほうがいい」という話ではなく、国民の多くが望んだことは高度経済成長時代の日本だったのではないでしょうか。

ちきりん:確かにそうかもしれません。

赤木:しかし日本経済が成長を遂げても、そこに労働力を吸収することはできません。これからは企業が高付加価値なモノを生み出そうとすればするほど、労働力は減らされていきます。なぜなら人間は機械やPCといったモノに置き換えられてしまうから。しかし日本人の多くは、仕事のない状況を肯定できなくなってしまった。もはや労働というのは“資源”であって、それが枯渇しつつある状況であるのに。

 これからは枯渇しつつある資源をいかに平等に分けていくかが大切なのではないでしょうか。「資源を平等に」というのは、労働時間の短縮だったりします。しかし今の正社員に「時短がいいですか?」「サービス残業はありますが、安定した労働がいいですか?」と聞くと、ほとんどの人は後者を選ぶでしょう。

ちきりん:でしょうね。

赤木:正社員は不安を抱えているので、決して時短を選びません。なので、労働時間が減っても「豊かな生活を送ることができる」といった話をしていかないといけない。

ちきりん:団塊世代やバブル世代の正社員の人たちが、「得られるお金は少なくなっても、短い時間しか働かない生活を選ぶ」といった考え方に変わらないといけない。そして残りの仕事を他人に分け与える、という感覚を持たない限り「ダメ」だといことですね。

赤木:そうです。

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