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“好き”を作る2つの法則とは?――好悪の感情を科学する郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

人はなぜ何かを好きになったり、嫌いになったりするのだろうか。筆者は、グラミー賞アーティスト「ディクシー・チックス」に対する自身の思いの変遷から、何かを好きになる2つの法則について考察した。

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2つの好きの構造の法則

 TwitterやFacebook、mixiで友人を集めるコツは、プロフィールに自分の好きなことをたくさん挙げておくことだ。誰かがあなたを見つけて、要素にひかれたらフォローしようか、友だちになろうかと思う。人は接点を求める生き物なのだ。

 「趣味が同じだから」「話していて似た価値観があるから」「出身が同じだから」など、好きなことや相性の一致を求める。要素は多い方が好きが強固になる。

 ところがひかれあっていても、ささいな“イヤなこと”で、好きの構造がひっくり返ることがある。実例を挙げよう。リエさん(仮名)がカレとデートに初めて出かけた時のことだ。

 「お昼、どうする?」、リエがカレに聞いた。

 「何にしようか」とカレ。

 「●●ビルに、うどんのお店と韓国料理のお店があるの。どっちにする?」

 「う〜ん(しばし考えて)、うどんにしようか」

 リエはその日カレを振った。なぜか。ワケはこの短い会話に凝縮されている。

 まず、初デートなのにランチの場所さえアテがない。これは“無思考・無計画なオトコ”というシグナルを送った。次に彼女の提示した選択肢で、うどんを選ぶという愚かさを露呈した。うどんは悪くないし、うどんを責めるわけじゃない。だが初デートでうどんかコリアなら、コリアしかない。これは普遍的な鉄則である。キミ、空気を読めよ。

 そこで彼女は「カレは人のことを考えないオトコ」という結論に達した。蛇足だが、そのうどんが割り勘だったことがダメ押しになった。

 ここで第二法則「嫌いが許容範囲を超えると、好きなものは見えなくなる」が展開される。

 もう1つ例を挙げておこう。サラさん(仮名)は有能でジェントルマンな上司Kさんを尊敬していた。ところがある日の飲食店での出来事で、尊敬の念が粉々になった。サラさんの説明。

 「もちろんお店の人が悪いの。お汁をドーンとこぼして、それがKさんのズボンにドッとかかっちゃって。でもね、その後が……『店長呼べ!』『クリーニング代全額出せ!』『ひざをついて謝れ!』と言うの。Kさんてそんな人だったの……と引きました」

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