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なぜコンビニは“新天地”を探し続けるのかローソンを“研究する”・スタート(4/5 ページ)

24時間365日営業という利便性をウリに成長を続けてきたコンビニが、“踊り場”を迎えている。全店の売上高、新規出店数が伸び悩んでいる背景に何が潜んでいるのだろうか。コンビニ特集の第一弾として、ローソンの戦略などに迫った。

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中国を舞台に出店競争

 コンビニ業界の大きな課題といえば、これまでの大量出店により国内市場が飽和に近づいていることだ。都市部であれば道路を挟んで競合ライバルが立ち並んでいる光景も珍しくない。国内市場は刻々と限界に近づいているので、大手コンビニ各社は海外進出に前向きな姿勢を見せている。

 コンビニの主戦場は国内から海外に移り変わろうとしているが、中でも各社が注目しているのが中国だ。例えば上海にローソンは325店、ファミリーマートが332店、セブン-イレブンが37店を展開。さらに中国や台湾資本が参入しており、上海のコンビニ総数は4200店を超えている。


ローソンの店舗数と売上高(出典:ローソン)

 急速な経済成長が続く中国を舞台に、コンビニ各社は“出店競争”を繰り広げているが、ローソンが上海に店を出したのは1990年代にさかのぼる。ダイエーグループの創業者・故中内功氏は自身の戦争体験からアジアで流通を支援したい、という思いがあった。そして上海を最初の出店場所に選んだ。1996年のことだった。

 上海での出店を増やし続けたローソンは2010年7月に、大手コンビニとしては初めて重慶に出店した。また年内には「中国事業本部」を上海に設置し、出店を加速させる構えだ。そして3年後には重慶市内で300店、10年後には中国での店舗数を1万店に拡大させる目標を掲げている。

 また新浪剛史社長も「2011年度には上海に1〜2カ月住むつもり。本格的な海外展開を進めていくためにはトップ自らが行かないとダメだと思っている。そしてリスク管理などの陣頭指揮を執っていきたい」と積極参加の意向を示している。また「海外展開で重要なことは日本型の店舗を作るということ。中国のみならず、他のアジアでも同じようなモデルを持ち込んでいきたい」という。


ローソンの海外展開

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