コラム
ドラッカーの「弱みに集中するな」を実践するために(2/2 ページ)
ドラッカーの「自らの強みに集中せよ」は、リーダーにも若手社員にも大切な言葉。その実践は容易ではないが、少なくとも「弱みに集中する」ような指導や自己認識はやめたいものだと筆者は主張する。
若い人にとっても「強みに集中せよ」は重要
付け加えて思うのは、「強みに集中せよ」はリーダーに向けられた言葉ではありますが、若い人たちも自分のこととして理解することが可能です。まだ若くてスキルも知識もノウハウも人脈もないのだから、お手伝いや見習いからスタートだと考えているうちに、いい年齢になってもそんな働きぶりを続けるしかなくなっている人がいますが、弱みに集中してしまうと、そうなる危険性が高い。新人にだって立派に強みはあるはずで、それを磨き発揮することに注力しなければなりません。決して、弱みに集中してはいけません。
指導する側が弱みに集中してしまいがちなので、「何もできないんだから、とりあえずこれをやっといてよ。最低限これくらいはできるようになってね。みんな知っているんだから、これくらいは勉強しておいて」というような無見識な指示をするわけですが、これに盲目的に従わず、「新人には強みなどないのだ」と決め付けている上司や先輩に阻まれることなく、自分の強みに少なくとも意識くらいは集中させて仕事に取り組んでもらいたいものだと、ドラッカーも思っているのではないでしょうか。(川口雅裕)
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