あなたは音叉時計を知っていますか?:菅野たけしのウォッチWatch(2/2 ページ)
Accuracy(精密)とElectron(電子)を組み合わせた「アキュトロン」の名前で発表された音叉時計。時代の流れと技術革新をうまく取り込むブローバの歴史をひも解いてみましょう。
時代の流れと技術革新をうまく取り込むブローバの歴史
ブローバの起源は、1875年にジョセフ・ブローバがニューヨークに開いた小さなショップからスタートしました。ジョセフ自身が、かつてティファニーで働いた経緯もあり、当初はジュエリーショップとしてオープンします。
しかし、新しい時代の到来を予感した彼は、まもなく時計も取り扱うようになりました。20世紀に入り懐中時計が普及するのにともない、1911年にポケットウオッチとクロックの製造を開始します。1912年にはスイスに部品製造と組み立て工場を設立。
第1次大戦の特需に沸いた1920年代の米国は空前の繁栄を遂げます。人々の生活は大量生産と大量消費のライフスタイルへと変化し、自動車、ラジオ、冷蔵庫などの家電製品が一般市民に普及しました。
そうした時代背景を反映して、ブローバは1926年に米国初のラジオコマーシャルを放送しました。1927年にはチャールズ・A・リンドバークによる大西洋無着陸飛行の偉業を称えて、賞金と時計を授与します。彼は当時のブローバの広告にも登場しています。
また、1928年にはラジオとクロックを合体させた世界初の時計ラジオを発売。さらに1941年には世界初のテレビコマーシャルを放映するなど、時代の流れと技術革新をうまく取込む企業だったのです。
歴代ブローバに見られるユニークな時計
ロングカーベックス(1930年代製)
アンティーク時計史上、最大の長さを誇る全長52ミリ。これがカーブした状態のラグからラグまでの長さなので、ケースを真直ぐに伸ばしたらさらにロング! 手巻き、金張り。
DuoWind(1950年代製)
スモールセコンド付きの角型時計はよく見かけるが、このDuoWindのように自動巻ムーブメントを搭載したモデルはめずらしい。自動巻き、金張り。
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